昨日はアジア時間でドル円は109円割れをトライする場面もあったが、欧州序盤では再びドル買い圧力が高まってきた。これは欧州債を中心に世界的に長期債が値下がりしてきて、特に米国債は10年ものの利回りが7年半ぶりの高水準まで上がってきたのである。
ドル金利の上昇はドル買いを促進させる。ドル円は109.50を超えてきた。と同時にユーロドルも1.17台に突入してきたが、ここはすでにやっているレベルである。あまり興奮もないのか、走らない。
アメリカで米中貿易協議が始まっているが、第1日目ということもあり、まだマーケットは構えているだけ。途中でトランプ大統領が見通しについてくらいコメントを発表したので、ややリスク回避で進む局面もあった。米国株はそれまで値を伸ばしていたのに、そうしたゲインを吐き出すこととなってしまった。
そもそもがトランプ大統領のはったりで始まった米中協議だと思われているだけに、真剣に対立するものとは思われていない。適当な落としどころも用意されているはずだと誰もが見ているので、マーケットにも真剣みが足りない。楽観的であり過ぎるのである。
それを反映してか、ユーロ円もドル円も、ニューヨーク時間では小幅ながらも堅調に推移した。ドル円は110円台の後半まで上がってきて、下がるそぶりを見せていない。
今晩はイベントがない。米中協議からの声明が出てくるだけであろう。おそらくはアメリカの要求する赤字削減分を中国側が飲むのだろう。いまさら中国の鉄鋼輸出とアメリカの大豆輸出をバーターに賭けるようなことはしないと思われる。
結局はディールといっても、大きな勝負はしないのだ。巧妙に避けるのである。したがってマーケットにとってはリスクテークの材料にはなりうるものの、リスク回避の方向に進むと考えられない、と見られている。
アジア時間ではドル円はなかなか111円台にタッチしなかった。110.95ビッドにはなるのだが、111円ちょうどの壁に阻まれている。多少の利食い売りは出てきそうな状態であるが、利食い一巡後はまた押し目買いモードとなろう。ユーロドルが今年の最安値を狙える位置まで近づいてきたら、ドル相場の一段高があると思ってドル買いに励んでみる。
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