昨日は東京時間でも日本株は持ち上がった。前日の海外市場ですでに日経先物は21000円台乗せし、高値ひけなのでテクニカル的にもそのまま高値追いの続く雰囲気でスタートしたのも事実。日経先物は昼間のセッションだけでさらに200円ほども上伸し、前日引け値から比べると大幅高となって東京クローズを迎えた。
これはひとつには米国株の堅調さにもよる。ボーイングが大きく値を下げている中、他の関連株も値下がりを心配されたが、S&P指数やナスダック指数などはむしろ小幅ながらも上昇に転じたからだ。これは相当に腰の強いことを証するものだ。
これをマーケットも敏感に察知しており、リスク性に敏感なドル円やユーロ円は底堅い。ドル円はまったく緩みを見せない。欧州時間になってドル円がやや売られる局面もあったが、それでも111円台ではしっかりした展開が続いた。
そして昨日はからはイギリス議会でBREXIT法案の採決が始まった。明らかなほど予想通りのことだが、離脱法案は否決された。しいてサプライズだったのは、存外に大差で否決されたことだ。それでもマーケットにはそれほども影響はなし。通貨ポンドも大きくはブレなかった。
今夜行われることになっている「合意なき離脱」を容認するかどうかの採決も形式的なものだ。これもやはり否決される。誰もハードBREXITを望んでいるわけではないからだ。そうなると今晩もポンドの動きは静かなままなのだろう。
そして市場の関心は早くも明日の「BREXIT延期」法案ということになる。目下のところ、BREXITを延期するしか方法はないのは明らかだが、これを認めるのにも一悶着がありそうだ。
2ヶ月だけの延長ならば、そんな短期間に答えが出るのかという不安も出てくるし、かといって2年間も延長すれば、このまま事実上のEU残留になってしまうのではないかとの思惑も出てくるのだ。またイギリスが離脱延期を望んでも、EU側のすべての国から承認を得ないといけないので、手続きに手間暇がかかる。
ともかくも今夜から明日にかけてはイギリス中心の話題がマーケットを主導することになるだろう。またトランプ大統領が共和党と通商問題について会談する予定もあるようなので、引き続き要人発言にも注意しておきたい。
日本時間 15時20分
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)