昨日はアジア時間ではリスクテークが先行した。それは中国の民間調査での製造業の景況感が、予想を上回ったからである。それは日本株にも波及し、日経平均株価は終値ベースで今年の最高値を更新した。
ちなみにザラ場ベースでは日経先物は今年の最高値にとどいていない。それゆえ日本株は後の状況によってはダブルトップの下げパターンとなる可能性を潜めていた。ドル円も欧州序盤では109.70あたりまで上がっている。
そして海外時間ではリスク回避の材料がいくつも出てきた。まずは中国サイドから米軍艦の香港寄港を禁止し、人権NPOの監視を強める措置を打ち出した。あまり強めの報復措置ではない。それでも欧州序盤まで大いにリスクテークに励んでいた人びとの気勢をそぐには十分であった。
マーケットの流れは変わり、利食い売りから投げ売りへとリスク回避の動きが強まった。ニューヨーク序盤ではトランプ大統領のつぶやきで「アルゼンチンとブラジルに対して鉄鋼とアルミに追加関税をかける」と公表され、それが欧州株を引き下げた。グローベックスでの米国株も久しぶりの大きな押しを見せた。
ロス商務長官も「15日までに合意を見なければ追加関税」と発言したことが、さらなるリスク回避を呼び込んだ。米国株は大幅安しながらの安値引け。日経先物も23060円まで安値を突っ込んでいる。
ドル円はニューヨーク前半ではそれほども下げていなかったが、ランチタイムに入ってからは下げがきつくなってきた。私も戻らないドル円の姿を見てショートに振ってみたのだが、自分が寝入るまでには決着がつかずであった。私は利食いの買い戻し注文を109.15で出しておいたのだが、これは朝見るとダンになっていた。もっとも安いところでは108円台もあったようだ。
いよいよ香港人権法も絡んで、米中交渉に行方が不透明になってきた。今しばらくはリスクオフの方向にポジションを傾けないといけないだろう。ドル円、ユーロ円は戻り売りスタンスで臨む。そして戻りがない場合でも、安いところを突っ込み売りしていってもあまり危なくはないのではないかと考えている。
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