週明けの月曜日のマーケットでは、リスク回避が大いに進んだ。コロナ感染が欧州で拡大しているのに加えて、週末に出てきたフィンセン文書が大手銀行のマネーロンダリングを暴くものとされ、金融セクターが嫌気された。
欧州序盤ですでにリスクオフの度合いは強まって、グローベックスセッションでは米国株は3ヶ月ぶりの大幅安となった。為替相場でもドル円やユーロ円が売り圧力に押されたが、ニューヨーク時間になると日銀介入の警戒も出てきたリなどして反発した。
大きくリスク回避が進んでドル円は104円ちょうどまで値下がりし、ユーロ円は122円台の中盤まで差し込んだ。米国株も大幅安の水準からはだいぶ切り返してきたものの、依然として調整圧力が強そうだった。
しかし昨日のマーケットではマクロ政策での金融緩和の継続と財政支出への期待が高まって、米国株は小幅ながらも上昇した。エバンス総裁が「インフレ率がプラス2.0%に達する前に利上げに踏み切るだろう」と発言したこともあって、ドル買いの魅力が増してきた。ドル円は105円台まで戻してきたり、ユーロドルも1.16台に突入したりした。
今晩はドイツ、イギリス、アメリカの景況指数が出る。総じて回復基調のものが見込まれており、結果がマチマチとなる可能性が高い。それよりもリスク調整の度合いを測ることの方が重要だ。
米国株の下げは底を打ったのかどうか。株価が戻るならば急反発するかもしれない。そうなるとドル相場も全面高に向かうだろう。とくにユーロドルの下値の切り下げには注意したいところだ。
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