日銀の政策チェックがあまり意味のないものとなって、市場に不安だけを増大させる結果となった。打つ手がないと表明したようなものだからだ。その上でETFによる株買いを日経中心からTOPIX型へシフトさせるといったものだから、予想されてはいたが勘違いを誘って株価は下落した。
別に日銀は株買いをやめると言ったわけではない。TOPIXを買うのだから、日経銘柄もその中に含んでいるはずなのに。それでも日経関連銘柄は集中的に買うことはなくなるのだと思わせるには十分であった。
日本株の下げが海外株に比べて顕著になって、ドル円も次第に頭が重たくなってきた。同時にクロス円も重い。また高いところを買って行こうという意欲も消し去ってしまった感じである。ドル円とユーロ円はしばらくは戻り売りの態勢で臨むしかないだろう。しばらくというのは、次に日銀がフレッシュなメッセージを出すまでという意味である。
今日は景況指数がたくさん出る。ドイツ、イギリス、アメリカの順でPMI指数が発表されるのだ。しかし株価動向に関しては長期金利の行方に依存している相場展開が続いているので、結果として景況感に対する株価の感応度は鈍いものとなっている。それだけ市場の関心も集まっていない。
長期金利はだいぶ低いレベルのほうまで戻してきたが、原油価格が昨日は大幅に値下がりした。これはフランスに次いでドイツもロックダウン延長を決めたことによる石油需要の減退によるものだが、リスク性の高いものの代表としてのインディケーターになっているので原油相場の一段安は市場のリスク許容度を減退させることになる。それが他のコモディティへも伝搬しないか要ウオッチだ。これが下押しするようだと、リスクオフの流れが強まり、クロス円に下げ圧力が加わることになる。
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