昨日のPPIも大きな数字が出た。PPIはCPIに3ヶ月ほど先行すると言われているので、これで10月あたりに発表される物価指数は高いもので占められることになる。これはちょうど失業保険の上積み分がなくなる頃と時期が重なり合う。ますます秋口からのテイパリングが現実味を帯びてきたというものだ。
しかし昨日のマーケットではドル金利は低下した。指標とは反対の動きになったのは、パウエル議長の発言による。パウエル議長は従来のスタンスを変えず、インフレは数ヶ月後に沈静化するとの見通しを示し、労働市場の回復にはほど遠いとした認識を表明した。これによって当面の金融政策の変更はないだろうという見方が強まって、ドル金利は低下したのだ。
ドル金利の低下のため、ドル相場も軟化した。ユーロドルは1.18台に復帰し、ドル円も110円台を割り込んできた。依然としてドル高の水準になるのだが、それでもドル上昇局面の中での調整が働いたといえよう。
私もアジア時間からユーロドルを1.17代の後半でショートを作って待っていたのだが、1.1800でロスカットさせられることとなった。これは機械的な作業であり、損したことをことさら悔やんでも仕方がない。
今晩はアメリカの景況指数など、いくつかの経済指標が出る。しかし景況感の動向にかかわらず、米ドル金利の動きのほうが金融マーケットにとっては重要だろう。昨日のFRB議長の発言がかなりハト派的なものだったと受け取られている。
したがって、それに基づいたシナリオが構成されつつある。ドル相場の押し目は浅いと思われるのだが、それがどこまでを見極める一日となろう。また逆張りにはなっても、どこかでドルを拾っておきたいとも考えている。
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