昨日は東京時間の10時過ぎから、米中でのオンライン会談が行われた。首脳同士が合うということで、なんらかの合意を見せなければいけないところだというので、マーケット的には前政権での追加関税の軽減などが発表されるものと見込まれていた。
しかし実際には関税に触れるような箇所はなく、無用な衝突は避けましょうねという親善外交のみとなった。それまでリスクテークが進んでいたが、日経先物は3万円の大台を目前にして失速。その後は失望もあいまって、再びリスク回避の行動が目立つ状況となった。
そもそもバイデン政権は懸案の大型支出を議会で通過させないといけない。規模を半分に減らしてまで財源に困っているところに、はたして関税の軽減はあり得たのか。トランプ氏への当てこすりで腹を癒やす程度のものだろう。関税は意外に大きな収入となっているのである。国内的にも虎の子となっている関税を手放すためには、ウイグルや香港の人権が見える形で改善されないとリベラル派は許さないだろう。
海外市場ではドル高の流れが鮮明になってきた。とくにユーロドルに売り安心感が出ているのだ。私も例に漏れず、ユーロ売りで参入。それなりに市場にショートもたまっているだろうからということで、タイトにストップを構えて短距離でも利食いで買い戻す。こうしたフットワークが軽く入れるようになったのも、ドル高トレンドが強くなってきている証拠なのだろう。
ドル金利は上昇したが、上げ幅は小さいものだった。とくにドル相場の一段高をもたらすほどの事でもなかったが、ドル買いには勢いが付いている。また買い遅れたプレーヤーらのさらなるドル買いも期待できる。ユーロドルがどこまで下がるのかを今の時点で想定して動くのは時期尚早のような気もするが、いきなりスリップして1.08台とか目にすることがあっても驚かないようにしておく必要があろう。
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