先週の金曜日はバーナンキ議長のスピーチの内容が注目された。しかしその内容にはサプライズはなかった。インフレは低いし、雇用も悪い、しかるに国内景気は悪いとするもので、追加緩和をすることに前向きな発言をしただけだった。マーケットの反応をみると、結果としてはドルの買い戻しが起こった。これは今までの緩和期待だけで進んできたドル安トレンドから見ると異様である。まあ、バーナンキの意向を確かめたということで達成感が出たものと考えられる。
私も実はそんなにドルは安いほうに突っ込まないのではないかと懐疑的に見ていた。さんざん金融緩和だといってドル売りをやってきたものの、実際にそれを確かめることができるのは来月になってからなのである。あまりにも間延びし過ぎ~。その間の経済指標などはすべて無視するのかと疑いたくもなる。また金利の水準はすでに最低なので、利下げは出来ないのだから、あとは量的緩和だけである。
そうした微妙な変化を感じ取ってか、米国株は重い足取りを続けた。クローズ間際の30分で多少の戻しがあったので、終値だけを比較しているとそのような動きには気がつかないが、歩みはまずい形をしている。これまでは株が上がれば上がるほど、マ−ケットの緩和期待は強いということで条件反射的にドル売りが進んだ。とくにユーロドルではそうだ。
しかし流れが逆になる恐れがあるということは、株が下がるたびにドルが買い戻される局面が多くなってくるということだ。実際にニューヨーク市場での午後はドルの買い戻しがきつくなり、本日のアジア時間ではどちらかというとドル高が進んだという感じだ。ユーロドルは1.38台の前半まで押し込まれている。
週末には中国での反日デモが話題となったが、市場での目立った反応は示していない。地政学的なリスクの一種ということで、朝から円売りが始まるかと思ったが、反対に円高方向に動いてしまっている。これはリスク回避によるクロス円の売りによる円の買い戻しが主な要因だ。
今晩は小さい経済指標がたくさん出るが、注目は米企業の決算発表に集中している。特にニューヨーククローズ後に発表されるアップルやIBMが関心が高いので、夜の海外市場では為替も様子見姿勢が強まって、値動きに乏しくなるのかもしれない。しかしちょっとドル円などの安値を拾ってみようと思っている。理由は上に述べたとおりである。ロスカットは置きやすく、もちろん新安値に入ったらポジションを閉じるつもりだ。
日本時間 19時30分
日本時間 19時30分
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)