ECBもBOEも予想通りの50ベーシスポイントの利上げを行った。これはまったくの想定通りだったので、市場はあまり反応しなかった。むしろ経済指標で悪いものが並んだので、そちらのほうで大きく反応したのである。小売売上高が存外に低くて、年末商戦がやはり期待ほどではないことを示唆しているのかもしれないし、そもそも物価高騰が消費意欲を減退させているのだろう。
ユーロドルは久しぶりの1.07台を見るに至った。ラガルド総裁が会見でインフレファイターなタカ派姿勢を見せて、わざわざご丁寧に次も0.5%の利上げと発言したことによるようだ。しかし米鉱工業生産も予想を下回ってマイナスとなっていて、ドル売りはあまり続かなった。
私は前日の動きをユーロドルで臨んでしまったので、あまり値幅が取れなかった。ドル円にしておけばよかったと後悔したが、あとの祭り。それでドル円でショートにしたのだが、今度はドル円のほうが動きが小さかった。
しかしラガルド総裁が今後も50ベーシスずつの利上げを続けると発言したことで、インフレ沈静化がまだほど遠いことも意識された。それまで低下傾向にあったドル金利も上昇へと転じ、それにつられてドル相場は急上昇。ドル円は138円台まで回復していた。
ドルショートで攻めていたのだから、そう簡単にはスタンスを転じることはできなかった。ドルの上げは完全に見送りとなってしまい、いちばんおいしいところに参加できなかったことになる。
昨日までは欧米の金利会合だったが、今晩は欧米の景況感が出る。昨日は米国株が大幅に下げてしまっているので、景況指数も悪い方が望まれているようだ。そうなれば来年からの利下げ期待も現実味を帯びてくるからだ。企業コストの減少で株価にも良いだろうということ。しかし雇用と同じで、景況感はそれほども下がっていないのではないか。今日はもう一段のドル高と株安が起こりそうな気配である。
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