原発のトラブルはどんどんひどくなっている。週末の海外ニュースでは日本の原発の話しが中心で、とても関心が高かったが、次々に新たな爆発の話しになってきて、日本の保険会社などによるが原発施設をコントロールできない状態になって行っているという印象を与えている。
復興需要という明るい側面をすっかり忘れさせているし、リスク回避ムードをつくっている感じだ。それに日本の海外からの資金引き揚げの動きのインパクトのほうが大きいと思われているので、基本的にこの手の話しでは、円高に振れやすくなっている。
昨日は欧州市場にはいると、ドル円は82円台をキープしきれなくなって何度も81円台に滑り落ちていた。私はテクニカル的にみれば週初のアジア時間でつけた安値80.59近辺を下回ってくれば、突っ込み売りをしようと思っていたのだが、ドル円は81円ミドルまでだった。このあたりでは、日銀の介入も気にされるところでもあるようだ。日銀のレートチェックがあったという話しも出ていたようだ。
今日になって、ドル円は81円台ミドルから82円台すこし手前までの狭いレンジのまま、本日のアジア市場を迎えた。ランチタイムが近づく頃、新たな原発機の不具合と爆発が発表された。日経平均株価は大幅安となり、1000円以上下落して8000円台へと下落し、ドル円は81円台前半まで売られていくことになった。しかし次の瞬間、今度はドル円が82円台まで吹きあがった!
介入か?という話しにもなっていたが、よくわからない。すぐまた81円台前半にまで落ちている感じをみると、たぶん介入というよりは介入を警戒する向きがあるなか、動いてしまったということなのだろう。アジア時間の午後は81円台ミドルでの小動きに留まった。東京でも放射能が観測されたことなどで不安感も広がったが、とりあえず大したことはなさそうということで、ドル円を買い戻す動きも見られた。
欧州スタートでは、日本の情勢を反映して、株価は大幅安となった。だが為替市場での反応はイマイチだ。バーレーンにはサウジアラビア軍が展開されることになり、中東情勢も予断を許さないのだが、あまりに日本の原発事故の話しが大きすぎて、ちょっとかすんでしまっている。
原発を見直す動きが広がっていることもあって、通常であればもう少し原油高にも行きそうなものだが、原油価格も100ドル台を割れていて、全面的なリスク回避マーケットになっている。米国市場の反応もみたいものだが、今晩に限ってはリスク回避と称して、クロス円の売りスタンスで見ている。FOMCも予定されているが、まったく無視されることになってしまうだろう。
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