しかしドル円はまったく動かない。日足のチャートをながめていると、とてもぶさいくな形で76円台の中盤で固まってしまっている。当然のことなのだが、今年の最安値である76.25を意識した動きである。こう何日もこだわるようなレベルとも思えないというのが、正直な私の感想である。
というのも、日本の震災が起きた翌週につけにいった円高水準は、ちょうど朝の6時を回って、個人投資家などのFX業者に置いてあるストップ注文をつけにいっただけのようで、それが行き過ぎてたまたま止まったのが76円台の前半だったというだけのことのように思えるからだ。
ドル円の76.25という数字には絶対的な意味はなさそうであるが、それでも「歴史的」と枕詞がついてしまうほど、重要なテクニカルポイントを与えているのは事実であり、それゆえに、こういう動きになってしまうのだろう。
ここしばらくは平静さを取り戻しつつあるかに見えた海外の資本市場だったが、昨日は再び不安心理にさらされることとなった。今月の不安は明確な材料に基づいているというよりも、なんとなく不安といったようなものだ。7月に発表された米企業の決算はすこぶる良いわけだし、アメリカやEUがマイナス成長に転じたわけでもない。
アメリカが格下げされたといっても、肝心の米国債は急騰しおり、昨日なんかは10年の利回りで2.0%の大台を割り込んでくる始末。しかしこの何気なく不安だというのが、いちばん手に負えないのかもしれない。
昨日は欧州時間からすでに株価の下落傾向が鮮明になっていた。アジア時間に1.44台であったユーロドルが、1.43台の前半まで沈みこんで米国勢の参入となった。欧州株は大幅安をしていて、グローベックスの中でもすでに米国株はとても安い。すでにリスク回避の動きが鮮明となっている状態のもとで、いろいろな経済指標が発表された。
雇用関連も住宅関連も、インフレ指標も景況感もすべて悪かった。これだけ悪いものが並ぶのは実に珍しい。米国株はさらに一直線に下降していく。私は今月、何度も刺さっているのだが、やはりユーロ円をショートにするしかないと思った。ドル円でもいいのだが、いかんせん値幅が取れなさそうだ。
ユーロ円が110円の大台を割り込んだところでショートメーク。ドル円が動かないのだから、結局はユーロドルの下落を期待していることになる。そうするとタイミングが良かったのか、するするとユーロ円、というよりもユーロドルが下落してきた(苦笑)。ドル円がフリーズ状態なのでしかたがないのだろう。
30分もしないうちに簡単に、ユーロ円ショートは60ポイントを取ることが出来た。108円台に入るまで我慢したい気もするが、円相場が下にいきそうにないなか、ユーロドルだけに頼っているのでは、ユーロ円ショートも心もとない。米国株が急落しているので、まだまだ相場を見ていたいところだが、無理をせずに早めに寝た。
今日も朝からグローベックスでは米国株が大きく値を下げている。もう完全にベアマーケット入りしたかのようだ。あとはドル円の下値サイドの引っかかりだけが気になるところだが、金融当局もそろそろ何かをやってきそうで怖いところだ。今晩はイベントがまったくない。しかしニューヨーククローズ後にFRBの緊急電話会議があるとのウワサも出てきている。要人発言や突発事項に気をつたいところだ。
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