株式相場では乱高下が続いており、格下げされた対象である国債市場もそれなりに激しい値動きとなっている。それなのに為替相場だけは、どうもいけない。いまだに私の戦法が変更を強いられていないところを見ると、それがテクニカル分析でいうところの長く利いている有効な方法ということになるが、ちょっとさみしい感じもする。
いつまでたってもユーロドルは1.45台に近づいてきたら売り、1.41台を割り込んできたら買いである。ちょっと前までは1.45台に近づくと、もうこれはこのまま上がっていってしまうのではないかと思われて、そこであえて逆張りを仕掛けるのは心細いものがあった。また心情的にはトレンドフォロー的に一緒になって買い上げていきたい気分でもある。
しかし最近はあまりダイナミックな動きを期待していないからでもあろうが、比較的、安心して売れるようになってしまった。昨日も欧州市場では1.44台の後半を攻めたので、1.4540をロスカットに設定して、容易に売り込むことが出来た。
まあ決着がつくのはアメリカの経済指標が出てからだろうと思っていた。しかし22時半の米国株オープンのときにものすごい下げとなったおかげで、リスク回避の観点からまずクロス円が売り込まれた。
ユーロ円は110円のなかでウロウロしているだけだが、それでも下限のほうまで下がってきて、その動きに合わせるようにユーロドルも下がってきた。1.43台に割り込むできたところで利食ってしまったが、それだけ方向感をもって保有しているポジションではないということでもある。
昨日は結局、米国株が大きく戻した一日だった。そこで本日のアジア時間でも株価の上昇からリスクテークの動きになるものと思われたのだが、朝いちばんに、ムーディーズが日本国債の格下げをした。アメリカが初めてであったのに対して、日本は何度も格下げされている。市場の反応は小さいものだった。
とりあえず為替相場で円売りになり、円安が進むかに見える局面がファーストアクション。実際、その通りになって、ドル円は20銭ほど上がった。次に来るのは格下げされた対象である円債の値下がりである。これも昨日のクローズよりは5ポイントほど下げて始まった。しかしたったこれだけ!
あとはアメリカで起こったことの繰り返しだと考えればよい。つまり国が格下げされたのだから、次に起こるのはリスク資産からの撤退である。危ないと感じる人は、その国の株式などからは手を引くだろう。その結果として起こる株安がリスク回避の行動を促して、格下げされたはずの債券の買いになり、そしてクロス円も下げるというもの。
そういうアイデアのもとに私はユーロ円を110.66でショートにした。今までのところ大きなアゲインストにはなっていないが、株価が軟調な割には110円台のレンジを抜けきれないでいる。やはり米国市場が始まるまでは動かないのかも~。今晩も大きなイベントはない。
日本が格下げされた後の影響を見極めたいとして、米国株の動向にはさらなる注目が集まるだろう。私も111.20でユーロ円の買い戻しストップだけを置いておいて、様子を見ることにする。
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