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米ドル全面安は一服、目先はトレンド転換の可能性に注意!
米ドル全面安は一服した模様だ。昨晩(2025年7月3日)リリースされた米雇用統計が、市場のコンセンサス(そもそもまったくと言っていいほどあてにならないものだが)よりずいぶん良かったから、米ドルの「買い戻し」が促されたわけだ。
(出所:TradingView)
「買い戻し」と強調するのも当然だ。なにしろ、今まで米ドル安がずいぶん進行してきたから、米ドルのショートポジションもずいぶん積み上げられてきた。米ドル安の進行が続かないなら、いったん手仕舞いとなるのも当然のなりゆきである。
もっとも、ドルインデックスは2025年年初から6月末までで10.8%下落し、ニクソン大統領当時の1973年上半期(14.8%)以来の大幅安となった。「猫も杓子も」米ドル安一辺倒のスタンスを取ったのも当然であった。筆者もその一人であり、直近まで米ドル売りの立場を維持していた。
ただし、米ドル安一辺倒の市場センチメントに対する警戒もしっかりしていた。6月24日(火)にXにてつぶやいたように、行きすぎた米ドル先安感に違和感を覚え、どこでポジションを決済しようかと探っていた。
ユーロはともかく、資本管制のゆえ自由兌換できない人民元を準備資産とする?ご冗談
— 陳まさと@プライスアクション (@chinmasato) June 24, 2025
言ってみれば、米ドル高の理由を探らなくてもよい。後講釈ならいくらでも理由を見つけられるが、今はその暇があるなら、トレンド転換の可能性に注意したほうがよほど役に立つ。
悪い指標結果にもかかわらずドルインデックスが安値を更新しなかったことが、米ドル安一服の兆しとなった
実際、米ドル安一服の兆しは昨日(7月3日)ではなく、一昨日(7月2日)強く点灯していた。米ADP雇用統計が想定より大分悪かったにもかかわらず、ドルインデックスは安値を更新できなかった。

(出所:TradingView)
そして昨日(7月3日)、想定よりずいぶん良かった米雇用統計を受けた米ドルの一段上昇は、詰まるところトレンド(米ドルの反発)に沿った値動きだと言える。
良すぎた米雇用統計が米金利の切り返しをもたらし、米ドル高につながったのは当然視されるが、一昨日(7月2日)の上昇を継承しているところこそ見逃せない。
換言すれば、良かった指標より悪かった指標のほうがサインを灯してくれた、ということだ。本来なら米金利低下、そして米ドル売りにつながるはずだったところを、米金利の切り返しや米ドルの底堅さをもたらし、米ドル売りが続かないことを示唆した。
昨日(7月3日)指標の良さを受けた米ドルの一段高は、当然と言えば当然だが、一昨日(7月2日)の底堅さがなければ、鮮明な基調にはならないはずである。
米ドル安の行きすぎがあったからこそ、英ポンドの急落を招いた。
ここからしばらくは、米ドル買い目線で対応すべき
さらに言うなら、一昨日(7月2日)の英ポンド/米ドルの大幅反落が大きな警鐘であった。財務規律を重視する英財務大臣が議会中に涙を流したところ、いろんな思惑が噴出して英ポンド売りにつながったという解釈は間違いではないが、本質的ではないと思う。本当のところは、米ドル安の行きすぎがあったからこそ、こういった英ポンドの急落を招いたと言える。

(出所:TradingView)
ゆえに、ここからは、しばらく米ドル売りではなく、米ドル買い目線で対応すべきだろう。
米ドル/円なら、じわじわ148円台を再打診、また場合によってはいったん200日移動平均線(200日線・現時点149円台半ばに位置)の打診も覚悟しておきたい。

(出所:TradingView)
当然のように、ユーロ/米ドルもいったん調整してくるだろう。米ドル安の受け皿として大分買われてきた分、4月高値の位置までの逆戻りを十分想定できる。

(出所:TradingView)
英ポンド/米ドルに至っては、1.33ドルの節目割れまでの調整があっても大きなサプライズではなかろう。要するに、買われすぎた分、それなりの調整幅も想定しておきたい。

(出所:TradingView)
ユーロ/円、英ポンド/円は堅調な推移が続くだろう。
もっとも楽観的な予想では、秋口まで日本株も好調が続くか
ところで、ユーロも英ポンドもずいぶん買われてきた分、200日線への逆戻りは想定しにくい。このような前提で考えるなら、ユーロ/円、英ポンド/円の堅調も想定でき、しばらく基調の崩れはなかろう。

(出所:TradingView)

(出所:TradingView)
なぜなら、米ドル安の受け皿として円があまり買われてこなかった分、米ドル高の基調になれば、クロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)でも円売りのほうが優勢になるはずだ。
最後に、米ドル/円の切り返しに伴い、日本株の好調も想定しておきたい。選挙結果や日米協議にも左右されるが、一番楽観的なシナリオとして、秋口まで史上最高値を更新していくと思う。市況はいかに。
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