昨日のマーケットは小休止の一日となった。週明けから株価が急騰し、リスクテークも激しく起こったのだから、雇用統計の発表を前にして休んでもおかしくはない。アジア時間ではユーロドルは1.34台の前半まで安値攻めをしたが、1.33台に突入するには至らず。
また欧州時間になって、スペインやフランスの国債入札が無事に終わったということで、ユーロ買いを誘う局面もあったが、ユーロドルは1.35台に乗せてくるのがやっとで、前日の高値である1.3522を越えてくることはできず、高いところで並んでしまった。
つまりテクニカル的にはダブルトップだ。多くのプレーヤーも、その直前でロングを外したり、または果敢にショートメークの売り場とテクニカル的にアクションを起こすので、その通りになったものと思われる。私もユーロドルを売らねばならなかったのだが、翌日の早朝から事務作業も控えていたので、相場に入ることができなかった。
結局のところ、ニューヨーク市場では、すべてが小動きの展開であった。ユーロドルは1.34台のミドルまで押し戻されてしまい、一日を通じても100ポイントレンジ。米国株も高値追いはしたものの、レンジは狭く、値動きも緩慢なものだった。
これまで欧州の信用不安を理由にして、ユーロドルの売り買いを繰り返してきたが、アメリカの実質的な金融緩和によってドル売り材料も出てきたので、一様には行かないようになってきた。ユーロの売り材料が出ても、ドルの魅力の低減からユーロドルが素直に落ちなくなってきたのだ。
ドルの資金供給をしても市場の流動性に変わりがないのは当然のことと受け取られているが、それが定着するまではユーロドルの値下がり方向にはかなりの抵抗が出てくるものと予想される。今年のユーロドルの最安値は1.28台だが、そこまであと500ポイントくらいかと思うと、今年中にも到達するのも可能と考えていたが、この分では10月につけた安値である1.3144も難しいかもしれない。
さて今晩は、アメリカの雇用統計だ。すでに良い数字が期待されている。それは最近の失業保険が改善傾向をたどっていることと、水曜日に発表されたADP雇用指数が大幅に予想を上回ったことによるものだ。今回の雇用統計では、就業者数は12万人前後の増加が見込まれているが、期待としては15万人くらいに膨れ上がっているだろう。15万人を越えてきたらようやくリスクテークの方に動き出しそうだ。
反対に下サイドは10万人を割り込んできたら、確実にリスク回避となる。悪いほうに免疫が出来ていない状況だ。その10万人から15万人の間では、雇用統計を材料に手を出すことはできないが、そのどちらかに外れたときには、トレンドフォローでついていく。手がけるとしたらユーロ円だろう。個人的には悪いときのほうが相場に破壊力があると思っている。
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