先週の金曜日に発表になったアメリカの雇用統計では、その前日のADP指数があまりにも良かったために、すでに良いだろうという期待が先行した。事前の予想では就業者数は15万から16万人前後の増加を見込んでいたが、もはや20万人では満足しないという状況になっていた。しかるに15万人から多少良いデータが出てきても、それは失望を意味することになるだろうと思われた。
実際に出てきた数字は20万人の増加で、失業率も8.5%となって改善の傾向が示された。マーケットでの反応はファーストアクションでは素直に株高・ドル高である。為替相場で注目されたのはユーロドルがどちらに向かうかであった。昨年末からのトレンドから見ればユーロドルは下がり傾向。
雇用がよいということでリスクテークが盛んになり、ユーロ円やユーロポンドといったユーロクロスが巻き返してきて、それがユーロドルの上昇をリードするのか。もしくは純然とドル相場となって、強烈なドル買いからユーロドルはさらに下値を模索するのか。これは実際にマーケットに委ねられていることなので、前もって想定して臨むのは不可能なことである。
指標の発表直後は、ユーロドルは売りこまれた。一方でドル円は77円台にまで上がってきており、要するにドル高の相場展開になっている。ドル円を買っていくのがいちばんわかりやすい行動なのだが、いかんせん、ドル円はあまり動かないものだと決め込んでいる。
やはりトレードするならばユーロドルだろうか?しかし株高が続くと、そのうちリスクテークで反対に持って行かれるのではないかとの恐れもあった。しかし下がっているものは仕方がない。トレンドフォローとしょうして売っていくしかなさそうだ。
私がユーロドルを売れたのは1.27台もかなり前半にまで落ち込んできてからだった。アドバースムーブは30ポイントしか耐えないことにして、さらなるユーロドルの下落を待った。しかしその後のニューヨーク市場では為替相場はい動かなくなってしまい、私のポジションは週末越えで持ち越しとなった。
昨日は日本がお休みだったが、早朝からユーロ安に傾いた。ほとんどが損切りのストップ注文の誘発だと思われるが、ユーロドルは1.26台のミドルまでいきなりアジア時間の朝方に突っ込んできた。ユーロクロスも全面安で、安値の記録を更新。ユーロ円は98.26まで、ユーロポンドは0.8257まで。朝の9時を回るころにはユーロクロスが切り返してきたので、私もユーロドルを1.2685で買い戻して一時的に撤退。様子見の態勢に入った。
その後は独仏会談への期待もあってか、ユーロはショートカバーをまじえて終始、堅調となった。私はポジションがなくなったとはいえ、やはりユーロの戻り売りを画策していたので、1.28台とかまで上がってしまわないかなぁと手ぐすねひいて待っていたが、 1.2785あたりまでが最大の戻しだった。独仏会談ではあまり具体性のある内容のものが出てこなかっただけに、ニューヨーク時間ではユーロの売りものに押されっぱなしだった。
さて本日はアジア時間では株高を主体とするリスクテーク方向で動いている。ユーロドルも昨日の高値近辺まで戻ってきた。 欧州時間まで待ってみて、このまま1.28台など届かないようであったら、ニューヨーク勢の参入前にショートにしたい。ユーロポンドが0.82台にいる間は、ユーロの腰が重いとみて戻り売りでよいのだろう。
日本時間 18時00分
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