昨日の欧州市場では、ドル円は80円台の前半、その前日には高値80.40をつけている。そしてユーロドルは1.3280あたり。これも日中の高値圏での張りついた状態で、ドイツの景況感を見ることになった。最近のドイツのセンチメントは上昇傾向にあるので、当然ことながらIFO調査も予想を上回ってくることが期待されていた。そのためのリスクテーク先取りということだろう。
その注目のIFO指数も予想を上回って109.6と出た。これで一気にユーロ買いが進んで、今年の最高値であった1.3321も突き抜けて、1.3340あたりまで上がった。なんだか出来レースのようでもある。発表前からユーロ買いが進んでいたためもあって、このユーロの上げに乗ろうとは思わなかった。
というのも、いかにも高値ブレークのストップハンティングの感じがしてしまったからだ。逆に利食いのユーロ売りも確実に出てくるはずで、そこを売り込んでみる方が面白そうである。
すると15分くらいたっときに急にユーロドルが下がってきた。20ポイントほどだけだが、それで確認するには十分である。きっともっと多くの売りが誘発されそうだ。私は1.3319でユーロドルを売ってみた。ユーロ売りは確実に出てきて、一瞬、1.32台にも突入した。私は自分の売ったところと同じレベルで買い戻しのストップ注文を置いて、なにか材料でも出ていないかとニュースを探りにいった。
EUの経済見通しが出ていて、2012年の分がプラスからマイナスに下方修正されたそうだ。この内容も当たり前と言えばそれまでなのだが、きっとマーケットはこれに反応したのだろう。グローベックスの米国株も、これを境に下げ始めている。IFOでの良いニュースの直後だけに、実に間が悪い。
欧州時間はそのまま値動きの乏しい中、ユーロは重い状況が続いた。こうなると時間切れである。22時半にはアメリカの失業保険が出る。これは最近の傾向として良くなってきているので、気をよくしたリスクテークの流れになる可能性が高い。ユーロは文句なく買われそうなので、仕方なく1.3291で買い戻した。指標が出てから、結果を見て、それから再び売り直せばよいのだ~。
ニューヨークオープンまでは為替相場はほとんど動かなかった。ユーロドルは一段押しをしたが、0時発表の住宅価格指数が予想よりも良かったことでリスクテークに戻った。ユーロドルは簡単に1.33台を回復。私は早々に寝たのだが、この後、ユーロドルは欧州時間での高値を抜けて1.3380の近くまで上がった。ユーロクロスも堅調で、ユーロ円もユーロポンドも高値圏でのクローズ。そのままアジア時間へとつながり、あまり押し目もなく、ユーロ全面高のままで推移。
ドル円が79円台に押されていたが、今日の東京市場で80円台を回復。そのまま円売りの流れが強烈になって、80.40の直前まで上がった。そして欧州市場の序盤では、ユーロドルもドル円も高値を抜けてきた。ユーロ円は107.80くらいまで上昇している。欧州時間には材料がないので、トレンドフォローによる買い上げと、週末のG20に対する期待というところか。
今晩もリスク相場になることだろう。米国株のうち、S&P先物が昨年来の高値、すなわち金融危機後の戻し高値が1373であることから、あと10ポイントしかない。緊張を強いられるステージだ。ドル円やユーロ円がさらに先に進めるかどうかは、これにかかっているような気がする。はたして夜中の新築住宅などの指標がそれをサポートできるかどうか。
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