昨日の欧州市場では、前日の信用不安の増大モードを引き継いで始まった。アジア時間でのショートカバーをものともせずに、ユーロドルは再度の安値攻め。1.2850あたりを触り始めた。私も1.2835をブレークしたら、ユーロ売りに励もうと思って構えていた。ここを割り込んだら、QE3後の押し目を開拓することになるからだ。
スペインのカスティーリャ・ラマンチャ州が支援要請をするというウワサも流れているので、どことなくリスク回避の流れが強い。欧州株はやや調整の足を速めているようでもあるが、為替相場での動きがさほどでもなく、ユーロはフレッシュゾーンに入りこまない。
アメリカの経済指標はマチマチ。GDPは大きく下方修正されて、耐久財受注もすこぶる悪かった。しかしGDPはいかんせん、古い時期のデータなので無視され、耐久財受注もブレの大きな指標だということで無視された。
失業保険は良かったのだが、ここ最近の予想自体が外れてばかりいるので、誰も額面通りに反応しようとはしなかった。その間にユーロドルは1.28台の後半まで戻ってしまい、私のユーロ売りの興味はだいぶ薄らいでしまった。
私は早朝から出かけて仕事をしなければならなかったので何もせずに終わり、早起きしてみるとユーロは1.29台に乗せていた。どうやら今度はニューヨーク時間では反対に欧州の信用不安が和らいだ動きになったようだ。スペイン政府が緊縮策を提出したが、その内容がEUの求めるものよりもきついものだったことがマーケットに好感されたようである。
スペイン政府が出してきた内容は、景気浮揚のために財政支出を増大させ、経費の削減を8.9%も図るというものだった。ここ最近は下げ基調であった米国株もこれで反転し、大きく上昇。リスクテークによってユーロの買い戻しが入り、ユーロドルは1.29台に戻しきっている。なんだか半年ほど前に見たような、毎日、信用不安が増大したり減少したりを繰り返すのだろうかと思ってしまう。
今日のアジア時間ではさらなるリスクテークが見られるものと思われた。それはニューヨーク市場での流れのフォローでもあり、月末なので日本株などがお化粧買いに遭遇しそうだとの観測もあったからだ。そのうえ、中国の金融政策への期待も高まっている。
中国は今日を最後に10日間くらいの長期連休に入る。その前に何か打ち出されるのではないかという見方が強いからだ。それを支持するように中国株も年初来の安値近辺をウロウロしており、政策を催促しているようでもある。
何も出てきてはいないが、今日のアジア株はインドも中国も高い。しかし日本株だけが午後から急落し、QE3直前のレベルまで押し込まれた。どちらの動きが本物なのか、時間が経ってみないとわからない。それだけに今晩の海外市場での株価動向は注目に値する。
経済指標はシカゴの景況感くらいしかない。しかし市場の関心は来月の雇用統計に移ってしまっており、また最近、懸念を集めている企業業績にシフトしている。海外市場では特別な材料でもない限り、テクニカルに従った動きがメインとなるであろう。
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