昨日の欧州市場では、ユーロドルが1.29台のミドルで始まった。これはここ最近のユーロドルのレンジでは、高いほうのレベルに迫ったことになる。先週と今週につけた1.2959や1.2967が上限のレジスタンスとして意識されるところ。
もちろんそこで止まるという保証はないが、テクニカル的には一度は売りこんでおくべき場所でもある。私も1.2950アッパーになったら売ろうと思っていたのだが、とてもあっさりと1.2953で売ることができた。
しかしユーロ相場のほうが動かなくなってしまった。確かにテクニカルポイントを重視したユーロの売りものも出てきて、目先は重そうに見えるのだが、下がっても20ポイントくらいが限界。そうしているうちにBOE(英中銀)やECB(欧州中銀)の会合の時間が近づいてきた。
どちらの結果も予想通りで、政策金利に変更はなし。それでユーロドルも上下に振れるが、何度もアゲインスト領域に入る。損切りするまでには至っていないが、持ち心地は悪い。ストップ注文は1.2970で置いてあるが、いかにもつきそうな感じ…。
失業保険の指標が出ると、ユーロは買い戻され、心配していたレジスタンスも越えてきた。よって私のロスカットも終了したわけだが、問題は次の一手である。レジスタンスをブレークしてきたということで、上値追いで買っていくべきかどうか。
ドラギ総裁は「条件が整えば債券購入に踏み切る」といって、以前に「何でもやる」と発言したことの裏付けに躍起になっている。これを好感して株価もユーロもなかなかに底堅い。ちょっと騙されたと思って少々買ってみることにしようと決めて、ユーロドル1.2988で買いド転した。
だが買った後はなかなか苦しかった。ぜんぜん上がっていかないのである。米国株が拝j待っても、それほども上がっていかない。やはり1.29台の後半は重いのかと思って、ちょうど上がってきた1.2994で早々に利食って寝てしまった。
後になって確かめると、それからユーロドルは一段高し、しっかりと1.30台に乗せてきて、そのまま定着してしまっていた。まあ、最初のユーロドルのトレードでは損切りも強いられており、ユーロドルのステージが少し上にスライドしたこともあって、上手く逃げられたのだと考えれば、さして腹も立たない。
さて今晩はアメリカの雇用統計である。就業者数は11万人から12万人の増加が見込まれている。しかし水曜日に出たADP指数のこともあり、ちょっと増加幅が大きくなるものとする向きもある。したがって15万人の増加くらいが出てこないと雇用環境が良いということにはならないだろう。
そもそも20万人増でやっと失職者の分も埋められると見られているのだから。予想通りか10万人を切ってくるようだと、反動の失望はかなり大きなものとなりそうだ。先月初旬のQE3から積りに積もった株のロングポジションなど、一斉に投げ売りに転じる恐れもある。期待があるだけに、それなりに良いデータが出てこないとマーケットはリスク回避に向かう公算が大きい。
ユーロも全面高のまま、QE3後の高値圏でステイしており、一段高できるかどうかを試されるところ。もしも指標発表の直後のファーストアクションで、株価の下落や債券の上昇などのリアクションが確認されたら、統計の数字を確認する前からユーロ円でもショートにしていきたいと考えている。
なお月曜日は日本もアメリカも休みである。雇用統計は日本時間の21時半に発表になるが、その後相場が動かなくなるのは日付けが変わる前後だと思われる。その分だけ短時間でポジション調整が迫られるということもありえる。
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