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持田有紀子の「戦うオンナのマーケット日記」

麻生発言で急反発のドル円、また緩む、
いよいよ米企業の決算シーズンへ

2013年01月08日(火)17:25公開 (2013年01月08日(火)17:25更新)
持田有紀子

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 昨日はドル円やユーロ円、すなわち株高などリスクテークの局面で買われやすい通貨ペアの調整モードを強いられる一日だった。アジア時間の午前中でドル円の88円台は重たいことを確認し、その後は87円台の後半で推移しながら、押すとしたらどこまで下がるのかが注目される展開となった。私としては先週末の雇用統計の発表直後に差し込んだ安値レベルである87.60あたりを下値のメドと見ていたのだが、さすがに近づいてくるとそこで止まるかどうか不安にもなってきた。

 それでも87.55で損切りすればよいだけなので、もっと下がりそうだと思いながらもスモールでドル円を87.67で買ってみた。ドル円はブルにはなれないので、ちょっとでも上がったらすぐに利食いしてしまうだろう自分の姿が想像するに難くない。ドル円は87.63まで突っ込んだ後、87.70から87.90のレンジ相場となった。グローベックスでの米国株もまったく動かない。これではニューヨーク時間まで持ち越しになるなと思った。 

 米国株はやや軟調でスタートした。といっても大きく売り込まれているというわけでもなく、相変わらず値幅ない。マーケットの材料がないだけに相場の展開に変化はなさそうである。私は87.86でドル円のロングをやめてしまったが、心情としてはショートにしてもいいのかもと思いはじめてもいた。やっぱり、下がり始めてから手を出してもよいのかな。ニューヨーク相場では動きそうもない。

 そしてニューヨーク市場ではコアレンジをはずれずのままだったが、今朝になってたまりにたまっていたドル円やユーロ円のロングポジションがアンワインドを強いられることとなった。端緒は個人投資家の強制ロスカットなどもあったのだろうが、昨日の欧州時間でつけた安値である87.63を下回ってくると、さらなる投げ売りを誘発したようだ。

 一回目は87.35まで、2回目の差し込みで87.23まで突っ込んだ。私もちょうど画面の前にいたので、参戦することができたが、昨日の安値を下回ったところを売ってはみたものの、すぐに戻ってきたので、10ポイントほどしか取れなかった。それでもその後もドル円のショート攻めを続けたが、だんだんとワークしなくなってきた。戻りをじっくり待ってショートに振っても、同値で買い戻しすのがやっとという状況。

 しまいには87.50を越えてくると、さすがに損切りをする羽目に陥った。ちょっと様子見を決め込んでいると、ランチタイムの麻生経済相が「外貨準備を活用してESM債を買う」という発言が伝わって、その瞬間、ドル円は急伸した。といっても87.80あたりまでだが。それでも朝方との相場つきとは違う状況になってしまった。

 外貨準備を活用と言っても、すでに買って持っている外貨を何に使うかというだけの問題であり、格別にフレッシュに実弾介入をするというわけではない。私としてはそのうち円売りもおさまるだろうと思って待った。段々とドル円の戻し高値も小さくなってきたので、87.65あたりからは少しずつショートにしてみた。急反発した直後だけに、簡単には下がらない。7~8ポイントほどを細々と取りつつだったが、それでも上手い具合にロスカットにもかからずに、まだポジションを持ったままで欧州市場を迎えることができた。

 今晩もイベントが少ない。しかしアルコアの決算があるので、いよいよ決算シーズン入りを感じさせる頃合いになってきた。年末年始で米国株は急上昇したのだが、それを裏付けるだけの決算が見られるのかが、今回の企業決算の見どころとなる。すでに株価は高いので、失望になるほうが多いはず。

 したがってリスク回避となる局面が向こう2週間ほど続出するのではないかと見ている。日本株も同様で、現在の高い株価を正当化できるかどうかが問われているのだが、日本企業の決算は月末まで待たねばならないので、まだそれまでに間がある。日本の場合はその前の日銀会合のほうの注目度が高い。


日本時間 17時10分

 


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