先週末はアジア時間から海外市場にいたるまで、ひたすら円売りが続いた。ちょうどアジア時間の始まり前に、ジョージソロスが円安を支持するみたいなコメントをダボス会議で述べたからだが、これまでドル円は90円台で何度か跳ね返されてきていただけに、それまでの高値であった90.24アラウンドを上抜けしてきたことは大きな意味があった。アジア時間では上抜けした後もドル円の買い圧力は下がらず、90円台の中盤でステイした。
そしてユーロも高い。1.34台に乗せてきて、買い安心感も出てきたようだ。ドイツの景況感であるIFO指数も予想よりも良かった。ユーロドルは完全な押し目買いモードになっており、ユーロポンドも目立って上昇の幅を大きくしてきているので、逆にポンドの安さが際立つ。今年に入って通貨の安い順に並べると、最初が日本円で、つぎに来るのが英ポンドか。それを裏付けるかのようにイギリスのGDP速報値も予想を下回った。ますますユーロ買いのポンド売りが激しくなった。
ニューヨーク時間の序盤でドル円はすでに91円台に乗せてきた。そしてユーロ円も122円台まで来ている。完全なリスクテークの状態になっているが、その後の問題は米国株である。毎日、値幅こそ小さいが着実に前日比でプラスになることを繰り返しており、これが途絶えるまでは安易に反対のポジションを取りづらい。目をつぶって円売りを仕掛けるか、それとも何もしないかという作戦しかないのである。
アメリカの新築住宅販売の数字が悪かったので、若干のリスクオフ。しかしその程度も限られていた。日経先物はアーリーニューヨークで11070円まで高値を拡げていたが、これが11000円の大台を割り込んできた。しかし東京クローズの10930円から見ると、まだまだ高値をキープしていると言えなくもない。ニューヨーク時間のドル円は91円ちょうどをはさんでの狭い値動きに終始。ユーロドルも1.3450から1.3470までのレンジ取引。
最近のパターンでは週末は完全なリスクテークで終わり、株価も円安も進んで週越えをする。そして何かの材料に反応して週央にいったんは調整する。株価も下落し、円の買い戻しが強烈に入る。そして再び週末に向かって株価が切り返し、円安も進行する。これをここ3週間は同じ展開で進んでいる。今週もそうなるのか。朝がたに11000円台を付けていた日経先物が、さっそく200円幅も下落した。パターン的にちょっといやな展開だ。
ドル円は91円台をキープできないほうに賭けた方が面白いのでは?そのような考えが頭の中をよぎった。早朝にドル円は今年の最高値を更新して91.24まであがったが、欧州時間が近づいてもこれを再度越えにいかないようであれば、私は少しドル円を売ってみようかと考えている。先週、先々週のパターンだと、トップからおよそ2円幅くらいの下落が期待できるのではとも思うからだ。あとは材料待ちである。
今晩はアメリカのイベントが少ない。すでに企業決算などは一段落しており、次は日本企業の決算発表が相次ぐところだ。日本株の高い水準を裏付けるような決算が、見込みベースでもよいから出て来ないことには、リスクの調整は避けられないところだろう。ドル円がスリップする可能性もあるので、とにかく値動きには重々、注意したい。
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