昨日のアジア時間は、ドル円は102円ちょうどをはさんでの小動きが続いた。浜田内閣参与が「必要ならば日銀はもっと強力に金融緩和を」と発言したものだから、材料薄に悩んでいた市場はそれに飛びついた。ドル円は急上昇こそしないものの、実に堅調。それでバックアップを受けたと解釈されて、日本株もしっかりした足どりとなった。欧州時間に入る頃にはドル円は102.30あたりまで上昇して始まった。
103円台までやって100円台まで振り落されてきた後の、102円台前半なので、逃げのオファーも必然的にでてくるもので、私としては102円台に乗せてきたからといって軽々しく追随買いはしたくはなかった。ここは成り行きをもうちょっと見たいところ。出来れば良いものが出るとされている夜のアメリカの経済指標での反応を待ちたい。
実際に良い結果が出ても、そのままのリスクテークが続くのかどうかだ。すでにグローベックスセッションでは米国株は大幅高をしている。そこからさらに高値追いをしていけるだけの余力があるのかどうかを見極めることは重要だ。伸びきったところを買っていくのは得策ではない。
22時にケースシラー指数が、23時に消費者信頼感指数が出たが、いずれも事前の予想を上回った。それでリスクテークは実際に進み、米国株はさらに上昇。日経先物も14660円まで急上昇し、前日の突っ込み安値である13675円からほぼ1000円幅の上げとなった。そしてドル円も102.50まで上がった。しかしそのスピードは遅かった。もっとスピードがあれば、トレンドフォローとしょうして買っていってもよいのだが…。
純粋なドル買い相場となっていて、ユーロドルはドル円の上げ幅よりも大きく下げている。ゆえにユーロ円はぜんぜん上がらない。ドルの全面高を裏付けるかのように、ドル金利は短期も長期も上昇してきた。株価が高いのだから金利上昇は仕方のないところだが、これまで動かなかった短期金利まで目立って上がってきたことは注目に値する。
私は早めに寝てしまったが、このドル金利の上昇がニューヨーク時間の午後から株価の上値を押さえることに役だったようだ。それでマーケット全体がリスクを取りにくい状態となってしまい、米国株はその日に上げた分をぜんぶ吐き出し。またドルロングの調整も手伝って、ドルはやや売り直されてニューヨーククローズを迎えた。
そのようなドル高の調整は今日のアジア時間でも続いている。ドル円は値幅こそ狭いものの、やや重い値動き。そして東京クローズ間際で日本株が急落。これは円債、米債ともに急落を喫したためである。それだけ不安定さを増したともいえる。株安によるリスク回避でドル円がやや売られて来た。私もドル円を102.21で売ってみたが、すんなりとは落ちてくれない。なかなか102円台を割れずにいた。そう思っていたら、いきなり走り出した。
売り増して粘っていたが、101.67ですべて買い戻した。
今晩はあまり経済イベントがない。102.00をトップにした動きになるのかな。あとはドル金利の動向に注意を払わねばなるまい。これが資本市場に重しとして乗っかるようであれば、米国株の調整は避けられないだろう。そのときにはドル円やユーロ円も簡単に2、3円級の反落を余儀なくされることになるかもしれない。
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