昨今は連日のように米国株は、歴史的な高値を更新してきている。しかし日ばかりトレードを旨としている私のような立場にとっては物足りなく映る。それは日中の米国株の値幅が極端に小さくなっているからだ。今週に入って、とくにその傾向が強い。そのため株価を当てにした為替取引もやりにくくなっている。まあ、判断材料は少ないというわけだ。その日のうちに勝負を決したいものにとっては、ちょっとフラストレーションがたまる展開になってきた。
昨日はアジア時間に101円台の前半で始まったドル円であったが、夕方にかけて101円台の中盤をも越えてきた。ドル円の日足のチャートで三角もちあいが抜けたからだと合理化する面もあるが、それはこれまでにも何回も上抜けしたりして、その都度、騙されてきてもいる。やはり103円台に乗せてきて、今年の最高値を臨むところまで達しないと今一つ気乗りしない。
一方でユーロ円のほうは堅調だ。ポンド円もそうだが、欧州通貨は対ドルで安くなってもいるので、いっそうクロス円は底堅くなっている。週の恥間に多少の値崩れに近いものをみせたが、基本的には堅調。ひたすら上がってきて、ついに138円台まで来た。こちらはリスクテークに現れでもあるのだろうが、米国株が動かない割には上昇の度合いが大き過ぎるようにも思える。
欧州時間ではクロス円の堅調さが続いて、ニューヨーク時間になってドル円も102円台に乗せてきた。シカゴの景況指数が良かったことをバックにしている。101円台の後半で止まっていたので、ショートカバーしなければならないようなポジションがたまってもいたのだろう。それをきっかけに円売りは強まって、その後はドル円は102円ちょうどを割りこむことはなかった。
そしてユーロ円も今年の最高値を越えてきたりもした。ポンド円の買い戻しにつれてポンドドルも上昇し、いつしか1.63台まで見て、これも今年の最高値を更新。株価の値幅は小さかったので、私としてはちょっと手が出ず。週末にかけてアメリカは感謝祭でお休みモードに入るので、あまり動くことはなくなるだろう。
ところで先週、ECBが利下げしたことに加えて、ハンガリーも利下げし、昨日はタイも利下げした。その一方で今朝はブラジルが50ベーシスも利上げするなど、インドも含めて新興国は利上げに忙しい。ここまで二分化してしまった世界経済だが、インフレの面から各国の金融当局がどう考えているのか、分かれていて面白い。
物価高で困っているという新興国と、低インフレ率だといっている先進国。どちらも同じ地球上に住んでいるのに、見解が違うなんて。これはいずれどこかで大幅な調整をしいられるのだろうなぁ。
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