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西原宏一・叶内文子の「FX&株 今週の作戦会議」

ユーロ/円は175.43円超えを目指し押し目買い! ECBの
金融政策でユーロが上昇する中、米EU関税合意は市場にポ
ジティブ。日経平均も4万円を固めつつあり押し目買い

2025年07月28日(月)15:48公開 (2025年07月28日(月)15:48更新)
西原宏一&叶内文子

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日米関税交渉合意で日経平均が2000円強急騰! ECBの金融政策を受けてユーロ/米ドルが上昇し、ユーロ/円は年初来高値更新

西原宏一(以下、トレーダー西原)叶内文子(以下、MC叶内) みなさん、こんにちは。

トレーダー西原 先週(7月21日~)は、米国と日本が関税交渉で合意したことが大きな出来事でした。

 それについては後ほど触れるとして、まずは先週の振り返りから始めましょうか? 叶内さん、お願いします。

MC叶内 はい。今週(7月28日~)もよろしくお願いします.

 日本株は大幅高です。日経平均は+4.11%、TOPIXは+4.14%と2週連続の上昇です。TOPIXは約1年ぶりに最高値を更新しました。

 参院選(参議院選挙)の結果、自民党が想定より敗北しなかったことを受け、週明け火曜日(7月22日)は方向感が定まらなかったものの、米国からの関税が25%ではなく15%で決着したと伝わった水曜(7月23日)、木曜(7月24日)に急伸しました。米国株、特にAI関連の強さにも引っ張られています。

 その米国株は、S&P500が+1.46%、ナスダック総合指数が+1.02%と続伸し、連続で最高値を更新しています。NYダウも+1.26%と3週ぶりに上昇しました。

 日本に加え、対EU(欧州連合)、対中国でも交渉の進展が期待され、市場は楽観ムードです。VIX指数は2月以来の低水準となり、ミーム株(ネットの情報拡散で取引される銘柄)物色が再燃しています。アルファベット(GOOG)は好決算と設備投資増額を発表しました。

 為替市場はいかがでしたか?

トレーダー西原 週初めは参院選の結果が注目されました。自民・公明党が大敗し、与党過半数割れという結果となりましたが、想定されたほど悪い結果ではなかったため、一時的に円高に傾きました。

 ただその後、参院選以上に大きな報道が出てマーケットは反発。日本時間7月23日(水)早朝に「トランプ大統領、日本と関税交渉合意 相互関税15%に引き下げ」との報道で、日経平均が反発開始。

先週の日経平均は2000円強も急騰し、高値は4万2065円でした。

日経平均 日足
日経平均 日足チャート

(出所:TradingView

 為替市場は乱高下。

 日米関税合意の発表を受け、日銀が利上げしやすくなるとの観測から一時円高となり、米ドル/円は145.86円まで下落しました。

 しかし、先週のコラム(ヘッジファンドの思惑でご紹介したとおり、日経平均が上昇している中での円高は限定的で、下げ渋り。

【※関連記事はこちら!】
ユーロ/円は175円超え視野! 相互関税15%合意、日経平均4万2000円台回復で円高は長続きせず。ECBの利下げサイクル終了で、ユーロ/米ドルは最終的に1.20ドル超えへ(7月24日、西原宏一)

 そして、日銀の利上げを背景とした円高の流れを反転させたのは、ユーロ/円の上昇です。

 ユーロが上昇したのは、先週発表されたECB(欧州中央銀行)の金融政策が影響しています。

 ECBはコンセンサスどおり、中銀預金金利を2%に据え置きました。利下げ見送りは8会合ぶりです。

 匿名の関係者によると「9月会合も据え置きが基本シナリオ」とBloombergが報じています。

 ラガルド総裁は政策発表後の記者会見で、2%のインフレ目標が達成されていることを指摘し「現在の状況は良好だ。ECBは『様子見』モードにある」とコメントしました。

 このコメントでユーロ/米ドルが反発を開始し、それに追随してユーロ/円も上昇。ユーロ/円は年初来高値を更新しています。

ユーロ/円 日足
ユーロ/円 日足チャート

(出所:TradingView

 今週も、このクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)での円安の動きが続くかどうかが注目されます。

 ユーロに関しては、本稿執筆時点で「米・EUも貿易協定で合意」と報道されています。この件は後ほど。

 それでは叶内さん、今週のスケジュールと株式市場の展望をお願いします。

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今週は中銀ウィーク! FOMC、日銀会合いずれも政策金利は据え置き予想

MC叶内 はい。先週は怒涛の1週間でしたが、今週も忙しくなりそうです。それは、今週が中銀ウィークだからです。

 まずFRB(米連邦準備制度理事会)です。7月29日(火)、30日(水)にFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催されます。コンセンサスは政策金利の据え置き。

 トランプ大統領がFRB本部の改修工事まで視察していましたが、利下げ圧力が強まる中で、FRBは屈したと思われるわけにはいかないのではないでしょうか?

 この点に関して西原さん、どうですか?

トレーダー西原 個人的には、トランプ大統領がFRBに利下げ圧力を強めれば強めるほど、パウエル議長は屈したくないと考えるため、ある意味逆効果になる可能性もあると考えています。

 ただ、パウエル議長はトランプ大統領のコメントを無視するように努めているでしょうから、全体的にはあまり大きな影響はないと考えています。

MC叶内 なるほど、ありがとうございます。

 次は日銀です。日銀会合(日銀金融政策決定会合)が7月30日(水)、31日(木)に予定されています。日銀会合も据え置き予想が大勢を占めています。

 日米貿易交渉が合意され、不確実性が払拭されたとして、利上げ観測が高まる場面もありましたが、どうでしょうか。

 年内に利上げの可能性を示唆しているとの記事を、Bloombergは出していました。今回地ならし発言があるか注目です。

トレーダー西原 金利先物市場をチェックすると、日銀の利上げ予想は9月時点で0.18回、つまりほぼゼロ予想。

 年末でも0.5回程度なので、現状のままだと年末までに利上げされる可能性は低いということになります。

なにか大きな報道がなければ、利上げは年明けでしょうか?

MC叶内 次は経済指標です。経済指標では、7月30日(水)発表の米4~6月期国内総生産(GDP)は前期比年率+2.5%と、前回-0.5%から大幅改善が予想されています。内訳の個人消費にも注目です。

 そして、7月29日(火)にはJOLTS、7月30日(水)にはADP、そして8月1日(金)には雇用統計が発表されます。

 非農業部門雇用者数(NFP)の市場予想の中心は10万人程度の増加で、前月の14.7万人からは減速する見込みです。先月は州・地方政府の雇用が急増していましたが、それがなくなると雇用の伸びは一服しそうです。しかし、調査週までの1ヶ月間の失業保険継続受給者数は減少していたため、伸びが加速する可能性もあります。失業率は労働参加率が反発すれば上がる可能性も見られていますが、市場予想の中心は4.1%です。賃金は前月比+0.2%予想です。

 8月1日(金)にはISM製造業景況感指数が発表になります。6月49.0からは上昇するものの、50には届かない見込みです。

 このところ金利は落ち着いていますが、7月31日(木)に個人消費支出(PCE)物価指数が出てきます。米国債入札、7月30日(水)には国債発行計画の発表などもあり、金利の動きも再び注目されるかもしれません。

 国内外で主力企業の決算発表も集中します。7月30日(水)にはメタとマイクロソフト、7月31日(木)にはアップルとアマゾンと、マグニフィセントセブン(※)のうち4社が今週中に発表されます。AI関連では、マイクロソフトに高い期待が寄せられています。

(※マグニフィセントセブンとは、米株式市場を代表するテクノロジー企業であるアルファベット、アップル、メタ、アマゾン、マイクロソフト、テスラ、エヌビディアの7社を指す)

 国内では7月29日(火)のアドバンテスト、NEC、7月31日(木)の日立、三井住友FGなどが控えています。

 そして国内政局です。自民党が参院選を総括する両院議員懇談会が7月28日(月)に開かれ、臨時国会召集が8月1日(金)ではないかとみられています。

 自民党の石破総裁の進退問題や少数与党の連立相手など、さまざまな思惑が飛び交いそうです。

 いったん日米貿易交渉の妥結を好感して大きく買われた日本株ですが、さらに上を目指せるのかは意見が分かれます。チャートは非常に良くなりましたし、貿易に関する不透明感は後退しました。

 一方、今回の日米貿易合意の内容が文書化されていないことや、80兆円投資の中身について、米ラトニック商務長官の発言のとおりだとすると、国内からは批判が高まってもおかしくないように思います。

 為替市場はいかがですか?

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ユーロ/円は175.43円超えを目指し押し目買い! 米EU関税交渉合意は市場にポジティブ。「円安、米ドル安」でクロス円が底堅い

トレーダー西原 まず、日本時間本日(7月28日)未明に米・EUが貿易協定で合意したようです。「大半に15%の関税」と日米の関税を参考にした内容。

 トランプ大統領は記者団に「史上最大のディールだ」とコメント。フォンデアライエン氏も「世界最大の2つの経済圏の非常に重要な合意だ」と意義を強調しています。

 日米が合意した局面で、米EU間での合意も予想されていた事とはいえ、米EU間で関税交渉の合意ができたことは、やはりマーケットにポジティブ

 シドニー市場では、ユーロ/円が年初来高値を超え、一時173.97円まで上昇しています。

 米ドル/円中心に相場を組み立てると、米ドル/円が底堅いので米ドルが強いという印象を持ってしまいがちですが、他の主要通貨に対しては、オセアニア通貨やユーロを中心に米ドル安が継続。

 つまり「米ドル安、円安」で総じてクロス円が底堅い展開が続いています。

 そのため、米ドル/円は緩やかな円安が継続しそうで、注目はユーロ/円やスイスフラン/円です。

年初来高値を更新し、昨年高値である175.43円ブレイクを目指しているユーロ/円を押し目買い継続でしょうか?

ユーロ/円 週足
ユーロ/円 週足チャート

(出所:TradingView

日経平均は4万2000円の明確なブレイクに時間がかかるかもしれませんが、4万円を固めつつあり、押し目買いで。

トレーダー西原MC叶内 それでは、今週も株と為替のトレーディングを楽しんでいきましょう。


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