先週の金曜日のドル円は103円ちょうどの動きが続き、その後にアメリカの雇用統計の発表であった。予想では就業者数が15万人くらいしか見込まれていなかったので、かなり控えめな予想。多少、悪くても悪天候のせいにされそうだし、また民間調査でもあまり良くない結果が出ていたから、それがコンセンサスになっても不思議ではない。
問題はリスクのありようである。3月に入ってからウクライナ情勢が悪化して、そしてロシア軍の動きも気になる状態が続いた。マーケットはリスクオフに傾いたものの、それでも時間の経過とともに楽観論が台頭してきて、株価は大いに切り返した。そして木曜日に至るまでに何度も歴史的な高値を更新したりもした。
日本株も堅調に推移し、そのまま高値圏での張り付きを維持しての雇用統計であった。世界的にリスクテークが進んでしまった以上、それを正当化するだけの数字が出てくるかどうかである。ドル円もユーロドルも高値張り付きのまま、欧州時間を過ごすこととなった。つまりクロス円がものすごく高いわけで、為替相場もリスクフルの状態に留まっている。
ユーロドルは欧州時間に1.39台に乗せてきて、軽いストップロスを誘発。それでも利食い売りの圧力はそれほどでもなく、いよいよ雇用統計の発表となった。私も数字を見てから、リスクテークの方向についていきたいと思っていたので、ドル円の高値越えである103.20と、ユーロドルの高値越えである1.3920に買いのストップ注文を置いてだけおいた。ユーロ円が急騰するかもしれないというシナリオである。
結果は就業者数が17万5千の増加。失業率こそ6.7%に悪化したが、マーケットは素直に就業者数の増加のほうで好感した。ドル円は簡単に103円台の中盤まで上がって、私のドル円ロングもできた。そのかわりに完全なドル買い相場となったため、ユーロドルのほうは不発。ドル円の方も103.74まで上がった。そしてしばらくは103.50アッパーでプレイしていたのだが、グローベックスで米国株が下がってくると円売りもここまで。
まあ1時間は保ったポジションだったが、103.50を割りこんでくると、もう用なしである。ニューヨーク時間の午後には、ロシアがウクライナへのガス供給を停止するというニュースも出て来たようで、ややリスク回避の方向に動いたようでもある。
さて今日から米国市場は夏時間に移行。まだ身体が1時間早めになるのに慣れていないが、海外時間が早まるのは、私にとっては喜ばしい。多くの日本人にとっても海外のイベントが早く始まって、早く終わってくれる方がありがたいはず。しかしそのイベントだが、今晩は何もない。
必然的にクリミア問題の比重が高まるのだが、前週に中国でテロ事件が起こったばかりで、先週末は北京行きのマレーシア航空機の消息不明となり、いまだに原因が不明なまま。週末の中国の経済指標も悪かっただけに、マーケットに悪い方で影響を与えることになるかもしれない。ドル円は目先が重く、私も売り場探しに励んでいるところ。
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