金曜日のアジア時間では、ドル円は101.50アラウンドでの展開が続いた。日本人がメインで買ってきているのだが、世界的に株価が下がっている状態では、容易にリスクテークの方向には流れにくい。ドル円もユーロ円も上値はキャップされた感じで、株価の反発だけを待っている感じ。私も101円台の後半は売りたいと思いながらも、なかなか上がらないでいる。
先週は株価が下がるための材料に事欠かなかった。東ウクライナの情勢が悪化したことも直接の要因ではあるし、黒田総裁が追加緩和する考えはないと明言したことも、外国人の株売りを促したようだ。そして中国の貿易黒字の伸びが予想よりも悪かったことなども、世界経済の観点からリスクオフを助長した。
そうした流れを変えるかもしれないということで、期待されたのが、金曜日から本格化する米企業決算であった。その大どころの第一弾はJPモルガン。金融大手として大いに注目を集めていた。
私としてはドル円の売り場探しをしているところなので、企業決算が良くてドル相場が上がっても、それはかえって自分の売り場を提供してくれるだけだと思っている。できればよい結果が出てくれと願ったが、結果はアナリスト予想を下回るものだった。グローベックスでは米国株が下落に向かい、前日の急落時における安値をも下回ってきた。
ドル円は急落ということはなかったが、まったく重くなってしまった。資本市場のムードが悪くなってしまったので、もうドル円のアップサイドはないのだろう。私はいちおう101.90でオファー、そして102.05でロスカットという注文だけ出しておいた。このまま寝てしまってもよいようにである。
ニューヨーク時間では米国株は一段安したが、それでもドル売りは限定的だった。むしろ底堅かったと言えなくもない。動いたレンジも狭いものだったが、101円台の前半でまたしても止められたかと、サポーティブになっているのが感じられた。
週明けはリスク回避で始まった。ウクライナが東ウクライナに軍隊を派遣することを決定したからだ。グローベックスでは米国株は金曜日の安値を下回り、そして日経先物も13830円まで突っ込んだ。しかしドル円は101.40あたりまで。ドル円もユーロドルもあと100ポイントもドル安に進めば今年のレンジをブレークするのに、近くて遠い、レンジの端っこである。
今晩はシティ銀の決算と小売売上高。株価動向、とくに下値模索の最中なので、リスクの動きには要注意な段階である。ドル円は依然として101円台の前半は堅そうだし、中途半端なところでショートにしていくよりも、むしろ押し目拾いをしたほうがいいのかもしれない。
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