昨日のアジア時間の終わり頃から欧州序盤にかけては、ドル円の売りが優勢だった。値幅こそ小さいものの、ドル円は101.50アラウンドで安値張り付き。前日の安値である101.51を下回ってきても、突っ込んで走りもしない代わりに、急激なショートカバーも見られなかった。
私としても、どちらかに動き出したらついていこうと思い、画面の前で張りついて見ていたのだが、101.45から101.55の狭いレンジを行ったり来たりするのみ。昨日は夕食に誘われていたので、ニューヨーク時間は捨ててかかることにした。そして早起きしてから参入することにした。
そのニューヨーク時間では、ようやく若干の動きが見られたようだ。プーチン大統領が「話し合いによる解決」を口にしたらしく、ウクライナ情勢がやや和らいだ格好となって、リスクテークに傾いた。ドル円は少しずつ値を切り上げてきて、102円ちょうどもワンタッチしている。
しかしイエレン議長のスピーチが始まると、ドル円は下落。金融緩和の必要性を強調した内容だったので、それでドル売りを誘ったようだ。しかしこのステージでのドル円の安値は101.50近くまでで、欧州序盤での安値である101.44にまでは届かなかった。
これでサポートされたということになり、ニューヨークのランチタイム以降もドル買いが強まって、ドル円もユーロドルも1日のドル高値圏で引けている。金融政策の先行きは瞬間的なものであって、ウクライナ情勢の好転のほうが勝ったという結果になった。
本日の朝にはドル円は101.90とかになっていので、とてもドル円を買う気にはなれない。もうちょっと東京オープンに近づいてきて、そして東京勢が買い向かってくるならば、私も仲値決めに向けてロングにしてみようと思った。
しかし東京時間でもドル円は買いが出てこない。なかなか102円台に乗せてこないのである。昨日の東京クローズでは安値圏で、今日は高値圏で張り付いて、そのまま動かない。まだ手の出しかねる相場状況である。
今晩はECBの金利会合がメインのトピックである。一部のシンクタンクはユーロの利下げを予想しているようだが、今回も変更しないだろう。今の状態から金融緩和に踏み切るには、根拠が薄弱過ぎるからだ。一時期のような欧州の信用不安も、今は影が薄い。出来ることならば、非常手段は温存しておきたいことだろう。
ユーロドルもポンドドルも、今年の高値、つまりドルの最安値をうかがっていたのだが、昨日のところは無念だった。ユーロドルの1.3966、ポンドドルの1.6994を越えてきたら、ドル円でのショートも面白いのかもしれないが、大台が変わるには不思議とエネルギーが要るものであり、まだ時間がかかるのかもしれない。
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