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持田有紀子の「戦うオンナのマーケット日記」

イラク情勢の悪化でリスク回避へ、
ドルの売り場探しか

2014年06月13日(金)15:30公開 (2014年06月13日(金)15:30更新)
持田有紀子

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 昨日の欧州序盤では、ドル円は102円ちょうどを割りこみそうなレベルで、ユーロドルは再度の下攻めでスタートした。アジア時間にイラクの武装勢力の蜂起が報道されていたが、日本株が切り返したので大したことはないのではないかとの楽観論も出ていた。

 しかし欧州時間になっていろいろと映像が出てくると、かなり大規模な順次衝突であるようだ。小さな町ごと占拠されているようでもある。次第にマーケットではリスク回避姿勢が強まってきた。ユーロ円も下げているが、ドル円もツラれて安い。私も102円ちょうど割れと同時に、ドル円をショートに振った。

 欧州時間ではそれほどもリスク回避が進まなかった。株価の下落も限定的なので、ドル円も102円ちょうどの回りをグルグルと動いているだけ。だがユーロドルが先週の金曜日の安値である1.3502に極めて近づいてきたので、ドル円の他にサイドメニューとしてユーロドルにも取り組もうと思った。自分もユーロベアなので、それに沿った作戦になる。

 とりあえず先週末の安値はそれ以降にブレークしていないので、短期的には重要なサポートである。それを重視して、1.3515から1.3520があったら買ってロングにしてみる。このユーロロングはあくまでもスケベロングである。1.3500割れでド転ショートだ。自分としては下抜けして1.34台の中盤くらいまで走ってくれることを期待している。

 そのためのユーロロングでやられる分は、トレードのためのコストだと考えている。ユーロドルが急落する過程で、ユーロ円も同じ分だけ下がるだろう。その円の買い戻しの圧力のもとで、ドル円も安値を拡げるだろうという見方。

 とりあえずユーロドルは1.3510近辺まで下がってきた。ここはジックリと引きつけたいところだが、さすがにサポート。すぐに急反発しはじめたので、私も1.3519でユーロドルを買った。そしてすぐに1.3499で倍返しのための売りのストップ注文をプレース。しばらくは1.3520アラウンドで推移。さすがにユーロ売りの圧力も高いものがある。

 自分はユーロロングで儲けようとは思っていなかったのだが、アメリカの経済指標が悪かった。雇用関連も消費関連もいずれも悪かった。それがドル売りを促して、ユーロドルは20ポイントほど上がることとなった。ユーロはどうせまた下がるだろうと見ていたので、私はラッキーと思って、速攻で1.3540でユーロを売った。そしてすぐに1.3519でまたビッドしておく。一方でドル円の方は一向に下がりそうにもないので、101.96で買い戻した。ほとんど同値だ。

 私は早々に寝てしまったが、ニューヨーク時間ではドル安が進行したようだ。ユーロドルも高いし、ドル円も安くニューヨーククローズを迎えている。たしかにイラク情勢などのさらなる悪化が報じられたからでもあるだろう。イラク政権がアメリカに軍事的な出動を要請したというのも、ドル安要因にはなったのだろう。

 東京時間の日銀会合はノーインパクトだったが、法人税減税について安倍首相が会見をおこなうというニュースから、ドル円は騰勢を強めて、東京クローズに向けて102円台に乗せてきた。日本株も急反発してムードは朝がたとはがらっと変わった感じとなったが、このままキープし続けるものなのかどうか、実際の会見と海外市場の反応を見てみたい。

 この昼間の動きはさておき、ドル安の進展する中で勢いがあったのは英ポンドである。ニューヨーククローズ間際にBOEの総裁が「利上げは早まるのではないか」と発言したことがきっかけだ。ポンドは全面高になって、ポンドドルは100ポイント以上も急伸した。ポンドの利上げ期待が高まっていた状態でもあっただけに、中銀総裁のコメントはそれを後押しするものだった。

 今晩もイラク情勢に左右されることになるだろう。経済指標としては、PPIやミシガン大学などが予定されているが、これだけでは目下のところ、続いているドル安の流れを変えることはできないであろう。もし結果が良くてドルが買い戻されても、そこは絶好のドル売りの場を提供するだけになるのではないか。私も今晩に限ってはユーロドルはブルで構えたい。ポンドドルが1.70台に乗せてきたら、ドル売りも加速するかもしれない。

日本時間 15時20分 


 


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