金曜日はマレーシア機が撃墜された後の、地政学的なリスクの確認するための場となった。早朝ではいっそうのリスク回避が進んで、グローベックスでは米国株が大きく一段安。短期的なストップロスも出たものと思われる。
円の買い戻しが進み、クロス円の下落とともにドル円も101円台を割り込んできそうなところまで下がってきた。しかし売りものが一巡すると、株価がまずは反発に向かった。ドル円やユーロ円の下げも一服し、海外市場でもこのまま底打ちになるのかどうかに注目が集まった。
欧州序盤ではドル円は101円台のミドルまで回復。欧州株も急反発して始まった。旅客機の問題もこれ以上、悪い材料は出ないという観測もあったのだろう。このままニューヨーク時間に入っても、リスク回避の動きはまったく見られず、米国株は実にしっかりとした展開となり、そのまま高値引けした。いうまでもなく為替相場でもリスク回避にはなっていない。
テクニカル的に重要だったのは、ユーロドルの下攻めである。ニューヨーク勢が参入した際に、1.35台割れを喫したのだ。6月初旬に出た雇用統計のときに付けたのが、安値1.3502である。ここをさんざん下攻めしたのに割れなかったので、相当に強いサポートでもあるかと思われたが、ついに割り込んだ。
しかし激しく走ることなく終わったのが、個人的には面白くない。数時間も立つと、ユーロドルは完全に値を戻していた。米国株が急落前の水準まで全戻ししているのだから、クロス円主導で上がっても仕方のないところではある。
今日は東京市場がお休みで小動きのアジア時間だが、ドル円も101円台の前半までたらたらと下げている。イスラエルのガザ地区への攻撃も激化しているようだし、欧州以降の動きには引き続き注意しておきたい。
日本時間 15時00分
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)