金曜日のアジア時間では、スコットランドの住民投票の結果が判明するとあって、それが大きな材料となった。予測では独立は否決されるものとなっていた。そうなるとイギリスに関する不安材料は減ることになるので、マーケット全体がリスクテークに傾いた。グローベックスでは米国株が急伸し、歴史的な最高値を抜けてきた。為替相場でもリスクテークは大いに進み、ドル円は109円台に乗せてきた。ユーロ円も141円台まで上がっている。
そして結果が出た。独立は否決されたのである。予想通りであるのに、ショートカバーを越えてリスクテークが進んでしまったという感じを拭えない。マーケットに残ったのはリスクテークの方向のポジションのみ。欧州時間になると懸念されたポジション調整が始まった。ドル円は簡単に109円台を割り込んだ。私も昼間は出動できなかったが、ようやくここでドル円ショートに。
ちょっと気迷い気味のフラフラした動きが続いたが、ドル円は109円台に戻しきれず。10ポイントだけ自分のコストよりも下がるにつれて、自分の買い戻しのストップ注文も10ポイントだけ下げていく。つまりトレイリングしているわけだ。これだけ不安定な状態の相場状況なのだから、画面に張り付いてウオッチしていなければならない。
ドル円が108円台の中盤まで押し込まれ、昼間の高値水準から比べると約1円幅の下落となった。そしてクロス円も安い。次第にリスク調整の波は株価にも拡がり、欧州株は頭が重く、米国株もグローベックスセッションで次第に利食い売り優勢の形となってきた。クロス円の代表であるユーロ円もストレートで下げている。私のストップ注文が108.74で引っかかって買い戻しをさせられたが、依然としてベアモードであるのには変わりがない。
ニューヨーク時間になると、米国株は若干、買い戻された。それでドル円も109円台を回復したりしたが、昼間のように高いところをどんどんと買っていくという元気がない。どちらかというとシコリの解消に必死になっているようにも見える。注目されたポンドも大幅安となってきた。昼間に1.65台まで上がっていたポンドドルだったが、1.63台の前半まで下がってきた。
ポンドドルは200ポイント級の下げである。ユーロドルもツラレ安しており、今年の最安値を意識しなければいけないレベルまで下がってきた。完全にリスク回避の流れとなってきた。
そうした動きはより鮮明となって、米国株は前日比でマイナス転するまで売り込まれた。やはりスコットランド期待が行き過ぎたということであろう。最終的には米国株はほぼ安値圏で終了。ユーロドルもポンドドルも安値引け。クロス円も含めて、ちょっと先行き不安な形で週を終えている。
さて週末にはG20の金融担当会合が開かれた。日本や欧州の成長率の鈍化が問題視されただけで、為替相場、とくに円安についての議論は出なかった。まあ、従前の予想通りである。
週明けのマーケットは大きな動きを示していない。今週はスコットランド問題のマイナス面も浮上してくるであろうし、マーケットにとっては調整が急がれる局面も出てきそうだ。今晩は特に材料が少ないので、そういたテクニカルな動きに注意しなくてはいけない。
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