昨日の欧州序盤でも、債券相場が軟化。ドイツの10年ものの利回りはいよいよ1.0%乗せに近付いてきた。ほぼ1か月前に0.07%まで下がったのがウソみたいだ。欧州債の下落はかなり問題がある。なぜならば日米に続いて遅れて最後に量的緩和に踏み込んだばかりであり、まだ実施してから間もないからである。
もちろんギリシャ問題で紛糾しているのも事実だが、債券相場が下落すると金融緩和が効かないのではないかとの観測が強まってくる。それがリスク性の高いもの、つまりは株価などにも反映されてきて、市場全体がリスクオフに傾いてしまう。
それが昨日もマーケットを襲った。欧州時間の午前中は完全なリスク回避で進んでいき、欧州株が下がるだけでなく、グローベックスセッションで米国株も大きく下げた。そして日経先物も2万円割れを喫することになる。リスクオフが明確になったのでドル円も投げ売りがかさんで、125円割れして間もないというのに、123円台にまで突っ込んだ。
欧州債を見ながらのトレードなので、私も為替相場に入りやすい。ドル円は124.20割れから何度か売りこんでいった。そしていつものように10ポイント取りをやっては、また売り場探し。そうやって123円台を脱してからニューヨーク勢の参入となった。ドル円ほどユーロドルはどちらに行きたがっているのかは不明瞭だ。
ニューヨーク時間では下がっていた米国株も元に戻してスタートとなった。それでリスク回避ムードはややおさまった。それでドル円やユーロ円も下値不安が薄まり、腰の強い展開となった。私としてもこれ以上のドル売り参戦はしたくなくなった。
さて今日も材料の少ない日である。ドル円もユーロドルもちょっと手の出しづらいレベルにいた。ところが昼間の13時過ぎに黒田総裁の発言が伝わった。今のドルの価値が適正レベルよりも高いという。緩和しているのに、アメリカに言わされたのだろうか(笑)。
ともかくもドル円は122円台まで突っ込んでいる。ちょっと前まで125円台にいたのだから、かなりのシコリを上サイドに残したことになる。ちょっとドルロングにはしづらい状況となっている。
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