■米利上げに合わせて米ドル/円は大きく調整か?
となると、リスク回避先としての役割を円が果たす可能性にも気をつけたい。
前述の、キャリートレードをやめた方がよい話と共通しているが、リスク回避なら円が買い戻されるので、当面円安が続くとしても、米利上げ前後に合わせて円安トレンドは頭打ち、至って大きく調整する時期に差し掛かるとみる。
前回(7月24日)のコラムの最後に挙げた米ドル/円の日足チャートで、チャート上に示した1月安値からのフォーメーションが形成されていくなら、最近の動きはエリオット波動論ではエキスパンディング・トライアングルと見なされる。
【参考記事】
●ドル/円を「黒田レジスタンスライン」で売ると投機筋のカモに!? 130円の大台トライは?(2015年7月24日、陳満咲杜)
(出所:米国FXCM)
これは「Expanding Diagonal Patterns」の1つで、同パターン自体が最終波の特徴を備えている。
換言すれば、同フォーメーションの成立自体が、2011年安値を起点とした大型円安トレンドのいったんの終焉を意味するから、目先の円安余地はおのずと限られ、米利上げと相俟って頭打ちの可能性が高いと警戒される。
■目先はさらにスピード調整してから黒田ラインに再トライか
目先の状況では、昨日(7月30日)にいわゆる「黒田レジスタンスライン」を試したものの、ブレイクできずにいるから、スピード調整を拡大してから、これに再トライする公算が高いだろう。
(出所:米国FXCM)
この間、ドルインデックスの上昇は、主に円以外の主要通貨(とりわけユーロ)に集中すると思われるから、引き続きクロス円(米ドル以外の通貨と円との通貨ペア)の反落余地に注意しておきたい。市況はいかに。
(PM2:40執筆)
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