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米ドルは下落が続くと思われたが、今週に入って「波乱」。今後は一直線に下落というより、保ち合いの可能性も?
今週(2025年5月26日~)もプライスアクションの視点をもって相場を確認しておきたい。
まず、ドルインデックスから。先週(5月19日~)の大陰線を踏襲する形なら、今週(5月26日~)は米ドルの大幅続落があっても当然の成り行きだ、と思われるはずだった。しかし、今週に入ってからは波乱し、一筋縄ではいかないようだ。

(出所:TradingView)
本日(5月30日)の大引けを見ないと今週の週足チャートの足型を確認できないから、判断するのは時期尚早であるが、米ドル安という大きなトレンドが変わらなくても、一直線に下値を打診するというより安値圏での保ち合いに、場合よっては、あくまで安値圏における保ち合いではあっても、そのレンジの上限がいったん拡大する、といった「波乱」も覚悟した方がよいのではないだろうか。
米ドル安一辺倒ではない相場。「弱気」のサインがすぐに効かないことこそ、保ち合い相場の特徴といえる
日足では、5月27日(火)にて陽線(下記チャートの(1))を形成、先日(5月26日)の安値をもって下落したことを示唆。98後半が目先ドルインデックスの重要なサポートゾーンであることも暗示されたとみる。

(出所:TradingView)
昨日(5月29日)、いったん100.41まで続伸したものの、その後一転して大きく売られ、大陰線(2)を形成した。その上、5月28日(水)の陽線と「アウトサイド」のサインを形成、本来ならここから再度サポートゾーンを割り込み、安値を追っていくと思われる。
しかし、目先まではむしろ「落ち着いている」ように見える。トランプ政権の関税案に関する米裁判所の判決の行方に翻弄されながら、米ドル安一辺倒ではないことがうかがえる。
材料面に関する報道はここではいちいち採り上げないが、要するにトランプ政権の迷走がしばらく続く、ということだ。
だからこそ、目先は相場の「落ち着き」が大きなサインを点灯してくれているのではないだろうか。
なにしろ、昨日(5月29日)の大陰線、また一昨日(5月28日)のローソク足と形成した「アウトサイド」のサインが効くなら、今晩(5月30日)にでも週明け以来の安値を更新していくはずだ。逆に言えば、米ドル売りが急がれていないことがうかがえるなら、いったん保ち合いの先行が想定される。
プライスアクションの視点では、これも保ち合いの市況における大きな特徴だと言える。要するに、弱気のサイン(昨日(5月29日)の大陰線&アウトサイド)がすぐに効いてくれないなら、しばらく効かない可能性が大きい上、効かないのは外ならぬ、今は保ち合いの市況にあり、トレンドを加速させていくという局面ではないからだ。
米ドル/円は拮抗する「強気」「弱気」のサインに挟まれて、しばらく保ち合い先行の可能性が強まる
同じような話が、米ドル/円の日足でも確認される。5月27日(火)の大陽線(下のチャートの(1))が「強気リバーサル&アウトサイド」のサインをもって、いったん重要なサポートゾーンを確認したからこそ、昨日(5月29日)高値146.29円まで切り返したが、同日「スパイクハイ」の大陰線(2)をもって反落し、「弱気リバーサル」のサインを点灯させた。

(出所:TradingView)
となると、拮抗する両サインに「挟まれ」ながら、しばらく保ち合い先行が想定されやすいと言える。本日(5月30日)大きな続落が見られないなら、昨日(5月29日)高値の水準をもう1回トライしていく、といった「底堅い」展開もあり得る。
なにしろ、ドルインデックスと同様、基本は大きな下落トレンドにあるから、本来弱気のサインが点灯される場合、「素直」に下値トライするはずだ。値動きが「素直」にならない、すなわち早期に下値打診しない場合、逆に保ち合いの先行、といった可能性が強化される。
ユーロ/米ドルはレジスタンスゾーンをブレイクできず。ただし、反落があってもベアトレンドへの転換ではない
同じ目線をもってユーロ/米ドルの日足を見れば、より「刺激的」な市況を確認でき、またこれからの行方が気になる。
なにしろ、昨日(5月29日)の大陽線は値幅が大きく、また「スパイクロー」の大陽線をもって、一昨日(5月28日)のローソク足と「強気リバーサル&アウトサイド」のサインを形成しながら、目先まで重要なレジスタンスゾーンをブレイクできずにいるから、本日(5月30日)大きく続伸しなければ、逆にいったん頭が重くなる可能性がある。

(出所:TradingView)
ちなみに、5月12日(月)安値からの上昇変動は、いったん「上昇ウェッジ」を形成、また、一昨日(5月28日)の反落や昨日(5月30日)の安値をもって下放れを示していた。
昨日(5月29日)の大陽線は、同フォーメーションを否定していく可能性がある。この場合、やはり早期のレジスタンスゾーンの突破が前提条件となるから、昨日(5月29日)の強気サインの点灯があっても、近々上放れがない場合、逆に要注意だと思う。
もちろん、仮に再度反落があっても、あくまで保ち合いの先行なので、ベア(下落)トレンドへの転換ではないことも強調しておきたい。
金は上昇が見られたが、ここからの高値追いは躊躇するか
最後に、金(ゴールド)の状況もチェックしておきたい。以前(5月16日)のコラムで5月15日(木)の陽線が「ダマシ」になる可能性を述べたが、間違いだった。ゆえに、5月23日(金)の大陽線や、3400ドルの節目手前までの切り返しが見られた。
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(出所:TradingView)
しかし、今週(5月26日)の値動きにから考えると「頭が重い」印象を払拭できず、ここから高値追いには躊躇する、という感想のほうが現実的なのではないだろうか。次のブレイクを待ってからまた検証したい。市況はいかに。
14:30執筆
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