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ドルインデックスはもう102の節目以上への回復はない!?
米ドル全面安はまだ序の口で、これから本格化する公算大!
米ドル全面安の市況が一段と鮮明になってきた。もっとも、米ドルの切り返しがあっても、下落途中におけるスピード調整という位置付けを強調してきたとおり、大きな方向感としては間違っていなかった。
米中の暫定合意を受け、5月12日(月)にてドルインデックスはいったん101.81まで戻ったものの、メインレジスタンスラインにしっかり制限された形で再度反落してきた。

(出所:TradingView)
この下落チャンネルが維持される限り、もう102の節目以上の回復はない、という示唆だと理解できる。
そうなると、ドルインデックスは早晩4月安値の97.68を割り込み、新たに下落余地を拡大する。早晩とは、早かれ遅かれのことなので、結局米ドル安のスピードの問題に行き着く。
ファンダメンタルズ的な解釈はどうであれ、トレンドの自己実現性(いったんトレンドが形成されると、トレンド自体がトレンドを維持、また加速していく現象)から考えて、本格的な動きはむしろこれからだと言える。
要するに、米ドル全面安はまだ序の口で、これから本格化する公算が大きい。
ドルインデックスは少なくとも95の節目割り込みをめざす!
戻り待ちに戻りなし⁉ 出遅れは避けたい
先にも指摘したように、ドルインデックスは少なくとも95の節目の割り込みをめざしていくだろう。
すでにいったん2023年安値を割りこんでいた以上、これからの安値再更新をもって下落を加速させ、また下落余地を拡大していくのは、火を見るよりも明らかだ。
2022年9月高値から2023年7月安値までの下落幅が、2025年高値から「複製」されれば、少なくとも95の節目割れになる。

(出所:TradingView)
このような考え方は一見「単純すぎる」が、実は相場の内部構造に沿ったものなので、複雑なファンダメンタルズよりよほど実戦に役に立つと思う。
となると、米ドル売りが正解になる確率は高く、確率の高いトレードを仕掛ければよい。後はタイミングの問題となるが、タイミングを計りすぎるとせっかくのトレードの好機を逃す、という失敗談が多いから、それは回避したい。
相場格言に、「押し目待ちに押し目なし」という言葉があるように、当然「戻り待ちに戻りなし」もあるはずだ。どのぐらいの値幅をもって「押し目」や「戻り」と判断するかも人それぞれだが、メイントレンドに沿った形でポジションを持つ大切さを教えてくれている。
英ポンドの高値更新は、米ドル売りの受け皿として、ユーロや円といった主要通貨が今後追随することを示唆している
実は、ドルインデックスに組み入れられている英ポンドが高値再更新を果たしている。ここで言う高値は、今年(2025年)のみでなく、昨年(2024年)高値に対する更新なので、米ドル安の進行に関する大きな証拠となっている。

(出所:TradingView)
台湾ドルなどと違ってメジャーな英ポンドなので、信憑性が高い。英ポンドの高値更新は、米ドル売りの受け皿として、これからユーロ、円など主要通貨の追随を示唆しているから、シンプルでありながら軽視できない。
ユーロ/米ドルは、少なくとも1.18ドルに乗せる⁉
米ドル安トレンドの可能性が一段と鮮明に
ところで、英ポンドの例を持ち出して、証拠云々ということ自体が短絡的かもしれない。なぜなら、いち早く直近の高値を更新したから例として挙げやすい、というだけの話だからだ。
実際、ユーロ/米ドルはいち早く2024年や2023年の高値を更新したから、いったん反落があっても目先切り返しており、近々再度高値の更新が有力視される。
この場合、2022年安値から2023年高値までの上昇幅を、今年(2025年)1月安値から測ると、少なくとも1.18ドルの節目に乗せていく、という計算になるから、ロングポジションの妙味は言うまでもない。

(出所:TradingView)
詳しく見ればわかるように、英ポンドは昨年(2024年)の高値をもって2023年高値をいったん更新していた。対照的に、ユーロは2024年の高値が2023年高値に接近していたものの、更新に至らなかったから、4月の高値打診で一気にブレイクを果たし、英ポンドは遅れを取ったわけだ。
メジャー通貨同士の競い合いがあるように見え、米ドル安トレンドの可能性が一段と鮮明に浮かぶ。
ユーロ高や英ポンド高に比べ、円は遅れている
だからこそ、「円は遅れている」と言って間違いない。ユーロ高や英ポンド高に比べ、円は全然高くなりきれていないのがむしろ問題点だ。2023年の米ドル/円の安値127.21円に照らして考えてみると、円がいかに「遅れているか」がおわかりいただけると思う。

(出所:TradingView)
とはいえ、筆者は早期の127円台の打診を想定していない。そのわけについてはまた次回に譲るが、プライスアクション上のサインに忠実に従ったほうが良い、と強調しておきたい。
最後に、前回のコラムで金(ゴールド)の「ダマシ」の可能性に言及していたが、足元までの市況から考えて、間違った可能性が大きい。
【※関連記事はこちら!】
⇒米ドル安はいつ再開してもおかしくないが、米ドル売りは鮮明なサインを確認してから行うべき!米ドル/円は高値を更新しにくいが、ベアトレンド復帰にも時間がかかりそう(2025年5月16日、陳満咲杜)
その検証はまた次回に回すが、強調したいのは、米ドル安の可能性とリンクしたように、金(ゴールド)が再び買われ、近々、再度高値更新に至らなくても、しばらくは堅調な推移を保つはずだと思う。市況はいかに。
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