昨日の私は一日中、外出だった。朝に売っておいたドル円のショートポジションは、110円ちょうどで買い戻しのストップ注文だけ置いておいて後はマーケット任せにするしかなかった。ならば何もしなければよいのに、と思うかもしれない。
でもドル円の110円ちょうどは割り込んできたときにも、そこでストップロスが誘発して下向きに走ったので、戻ろうにも逃げ遅れのオファーが出てきそうだからである。テクニカル的にいうところのネックラインとなっているということだ。
いまひとつはオプションのストライクの存在である。それが110円ちょうどのものが多いというのだ。しかも今月いっぱいで満期を迎えるやつである。だからこのタイミングで110円乗せを実現するようだと、オプション勢からは一斉にヘッジをあてがうための売りが出てきそうなのだ。
そうした思い入れもあって、PC画面の前に張り付いていられないながらも110円のちょっと手前ではショートに振っておきたくなる。利食いも入れておくべきだが、どうせ時間もあるし、下がるんだったら枠をはめずにたっぷりと狙えるチャンスでもある。
夜中に帰宅したときには、ドル円は109.40くらいだった。確かに下がってきているが、思ったほど値動きはなかったようだ。私はドル円を買い戻して、寝ることにした。ドラギ総裁の会見で追加緩和の期待が薄らいだとかで、ユーロドルが乱高下する局面もあったようだが、それでも値幅は一定のレンジに収まっている。
今日は午後になって、金融緩和の報道が流れた。マイナス金利は日銀が預かる場合の金利にペナルティとして課されるものだが、それを民間銀行への貸し出しにも適用することを検討しているというのだ。マーケットは俊敏に反応した。
まあまずはあぶりだされるべきものが、あぶりだされないといけないといった感じ。ドル円は110円ちょうどにたくさん並んでいたオプションからのヘッジ売りのオファーもすべてこなして110円台乗せ。金融相場的に日本株も上昇に弾みがついた。
なんともウソっぽい話であるが、まずはファーストアクションとしては仕方のないところである。貸出金利に適用する前に、もっと勘案しないといけない部分があるからだ。準備預金の一部にしか適用されていないマイナス金利の、残りの部分はどうするのか、など。それを無視して追加緩和のごとく、市場のほうが先走ってしまった。
ともかくも110円台に乗せてきて、事情がよくわからず、マーケットが混乱の度合いを増しているようだ。ここはもうちょっと見極める必要があり、安易に円売りで乗らないようにしたいところ。
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