第2回目のテレビ討論会を終えて、マーケットは不透明要因の一つが消えたということで、それを好材料視した。日本株も上昇して、昨日のアジア時間ではドル円が104円台にも乗せてきた。
連休明けの日本人の買い意欲の表れであったことは確かだが、それでも雇用統計の直前のラリー水準まで簡単に戻し切ってしまうのには、ちょっと驚いた。
しかしやはりそこには上値追いをし切れなかったシコリとの関係から、104円台は買っていけないだろうという思惑も強い。振り落されるのも速いのではないかとの見方もある。
テクニカル的にも売りの出やすい場所でもあるからだ。後は海外市場にシフトしてからの株価などの上昇といった外部環境の支援を確認しないといけないところだ。
そして海外市場では一転してクリントン氏が優勢だったことが、株売りの材料とされた。リスクオフに転じたのである。先日から言われている薬価引き下げのことが政治問題化している。
クリントン候補の主張が通れば、製薬メーカーの収益源の圧迫となる。それで昨日の米国株はバイオ、医薬品セクターを中心に大きく値を下げることとなった。
それに加えて前日の引け後に発表されたアルコアの決算の失望も効いている。アルコアが重要だというのではなく、アルコアをもって四半期決算が本格化するシーズンが近づいたのを感じられるから大事なイベントなのだ。
リスクの縮小に極めて弱いとされるクロス円。ユーロ円もポンド円も大きく下げを強いられた。ユーロもポンドも対ドルでも下げがきつい。ドルが高いのだといってしまえばそれまでだが、やはり先週のポンドの急落が尾を引いているようだ。リスクオフの観点からドル円の上昇も一服。やはり104円台は重たかったとしか言いようがない。
今日のドル円は103円台のミドルで小休止。ちょっと上にも下にも動きづらい状況だ。原油価格が51ドル台で高値推移しているが、これも上サイドには相当量のオファーが存在しているとされ、リスク回避の引き金になりかねない状況である。今晩もリスクのありどころをウオッチしてドル円、ユーロ円でポジショニングするしかなさそうだ。
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