大統領選が終わってからというもの、トランプ相場という名のものとにご祝儀相場のような展開が続いている。そして日本やアメリカ、ドイツのマーケットを見ていると、株高とドル高が同時に進行しており、ミニ・アベノミクスのような様相となっている。
昨日の欧州序盤でも、最近の恒例行事のようになってしまっている感じのリスクテークが始まった。ドル円はアジア時間で109円台をなんとかキープしたのだが、それも欧州勢がもっと買い上げてくれるだろうというパターンが何度も繰り返されてきたからである。
とても高いところでロングにしていても、あまり恐怖感はないのが実情だ。そして案の定、109円台のミドルなで上がってきた。私も少しだけロングにして追随はしたりするものの、それはあくまでもトレンドフォロー的な発想によるもの。値動きがストップしただけでも、すぐにポジションをクローズする。そして次の入り口を模索するのだ。
ここ1週間では毎日1円ずつ上がっているといってもいいドル円なのだが、その分だけ押し目は浅い。それまでの高値から50ポイントも押し目があれば、そこはちょうどよい拾い場となる。その拾い場がなかなかないから、ここまで上がってきたのも事実であるが。
ニューヨークオープンの頃にドル円は109.75あたりまで高値をつけた。結果的にはここが日中の高値となったのだが、経済指標が良くないものが並んだせいもあって、ドルは調整売りとなった。
しかし押し目は浅いものとなろうという考えと、どこかでドルを買っておきたいという意欲がありありと残っているので、109.20で私も拾ってみた。ここから先はそれほども下押しはないだろうと思ったからだ。それで109円ちょうど割れのところでロスカットを設定し、後は新高値の更新を待つことにした。
夜は寝てしまったが、結局、高値トライはなかった。むしろバリューデートが変わったあたりからドル売りが出てきてしまい、私も108.98で損切りさせられた。そのままアジア時間では108円台の中盤までドル売りがかさんだ。ここしばらくの中では、けっこうな深押しといえよう。
トランプ新大統領のご祝儀相場はいつ終わってもおかしくはない。世界的に株高のように見えて、新興国の一部はまったく異なった状況となっている。メキシコ株がひどいのは仕方がないにしても、トルコやインドの株が急落しているのだ。
トランプ氏が当選したときには世界的に同時株安となったが、そのレベルにまで落ち込んできているのだ。これが近い将来のマーケットの不安材料になるのは間違いないところだ。調子に乗ってリスクテークに励んでいるのは、たいへん危険だという警告を発している。
日本時間 16時30分
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)