金曜日の欧州序盤では、ドル円は110円台の後半であった。何度か上値をトライした後なので、ちょっと買い疲れ感が出てきているところ。それでも高値圏に張り付いているので、ドルを売りこんでいくわけにもいかない。ユーロドルもしっかりと安いのだから、ドル円だけ下がるというのも考えにくい。
私も110.70アッパーを何度も買っては、逃げ売りを強いられる。つまりそれだけ上がらないのだ。そうこうしているうちに大きな調整がやってきた。ドル円はニューヨークオープン前に109円台にまで突っ込んだ。
それでもニューヨーク時間では、ものの見事にドル相場は切り返し。そしてドルが全面高である。翌週以降もさらなるドル買いが集まるだろうというのが、テクニカル面からの要請でもある。
私が金曜日にドル円を買った最高値は110.84であった。思い返すとBREXIT後には99円台で売っている。このワンセットの組み合わせの売買がなかったら、今年一年分はなんと儲かっていることだろう。まあ端っこになればなるほど、突込みが多くなるのもトレードの運命なのだが。
先週はトランプ氏への政策期待ということで、マーケットでは大いにリスクテークの流れが強まった。ついにドル円も日経先物も、BREXITの前のレベルまで値を戻してきた。これはちょっとやり過ぎではないかとの見方も強い一方で、まったく調整をしない相場の中では、どこまで行くのだろうかと見極めたいというムードも出来上がりつつある。
日足で見ると、最近、あまり方向性を示してこなかったユーロドルが、かなりの量の陰線を連続で並べてきている。ドル円が10円上がったのと期を一にするくらい、ユーロドルも700ポイント以上も下落してドル高に進んでいるのだ。これはドル高が本物であることを示しており、たんなるリスクテークだけではないことを意味するものだ。
確かにドル金利も相当に上がった。短期金利の世界では来年の6月利上げが、かなりの確率で織り込まれ始めている。ユーロドルは昨年来からの安値である1.04台を意識する水準まで下がってきたので、ドルの一段高となるかどうかを今週のマーケットは確かめに行きそうだ。
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