昨日はアジア時間でドル円が今年の最安値を抜けてきた。新安値を更新したのである。それにくらべて日本株は実に鈍いものであった。相関性を重視すると、日経先物の今年の安値を下回っていてもいいくらい。
それでも日本株の下げは限定的だったということあって、それを見て朝から突っ込んでドル売りに励んでいた連中のショートカバーを誘うこととなった。欧州序盤ではすでに113円台に完全復帰。私も東京時間ではドルショートで向かっていたので、少なからず損害を被った一人である。
欧州市場ではどっちつかずの状態が続いたが、ニューヨーク時間ではリスクオンとなった。トランプ大統領が自動車のビッグスリーを招いて、規制緩和を約束したのが大きいだろう。またカナダとのパイプラインの稼働を進めるための大統領令にサインしたことも伝わった。
これまでトランプ相場の根拠となっていた政策が打ちだされたのだから、リスクテークに弾みがつくのも不思議ではない。米国株は一本調子で上がって、S&P指数やナスダックは歴史的な最高値を更新してきた。それにつれて為替相場ではドルが全面高となり、ドル円も113円台の後半まで反発。私は昼間に損を出したこともあって、夜は早々に寝てしまっていた。
ドルの高値引けの後でもあり、今日の早朝から日本人も猛烈にドル円を買い向かった。簡単に前日の高値を超えてきたが、肝心の114円台乗せには至らなかった。ドル金利の上昇など、ドルの一段高を促す外部要因もあるのだが、トランプ政権がドル上昇に懸念を示すことがやや確実になってきて、ドルの上値追いができなくなってきているようだ。
テクニカル的にもドル円は今年の半値レベルよりも下でプレイしているという現実も無視できない。当面は112.60から115.60の間におさまったレンジワークに徹すると見るべきなのであろう。
今晩もミクロ指標とマクロ指標がいくつか出るが、依然としてマーケットを動かすには力足らずであろう。何といってもトランプ氏が何を次にやるのかにマーケットは揺り動かされてしまう。よってトランプ氏およびその新政権の動向のほうが重要度が高く、要ウオッチである。
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