■金利狙いのロシアルーブルに投資妙味アリ!
長期的な金利収益を重視するならロシアルーブルや、インドルピーが向いている。
「ロシアルーブルは2014年に売られましたが、現在は反発・上昇している途中。バリューから見ると現在はほぼ適正な水準ですが、ファンダメンタルズは強く、通貨としては安定しています。
今後、どこまでロシアルーブルが上昇するかは微妙ですが、ロシアは経常黒字国ですし、財政も新興国の中ではもっとも良好といえます」

(出所:Bloomberg)
「ファンダメンタルズが強いので、金利狙いでロシアルーブルに投資するのは悪くないと思います」
【参考記事】
●政策金利10%のロシアルーブルが急上昇! 2017年、ロシアルーブル買いの理由とは?
【参考一覧表】
●ロシアルーブル(RUB)が取引できるFX会社

(出所:Bloomberg)

(出所:ロシア連邦中央銀行のデータを基にザイFX!編集部が作成)
■インド政府がルピー安に誘導
インドルピーは2014年の選挙で誕生したモディ首相の経済政策により、劇的にファンダメンタルズが改善した通貨。
当時のインフレ率は前年比10%を超えていたが、現在はその半分ぐらいまで下がっている。経常赤字の対GDP 比も2012年は5%ぐらいだったが今は1%程度。
これらのファンダメンタルズ改善により、インドルピーのボラティリティ(変動率)は大幅に下がった。ボラティリティの低さは、金利狙いのトレードにはポジティブな要因となる。

(J.P.モルガンのデータを基にザイFX!編集部が作成)
ただし、輸出振興という政策的な観点から、当局は名目為替レートが弱くなるように誘導しており、ファンダメンタルズが強いにもかかわらず、インドルピーは徐々に弱含んでいる。
「トルコリラやメキシコペソが大きく売られているため、インドルピーの下げは目立っていませんが、このように政策面も勘案する必要はあります」
【参考一覧表】
●インドルピー(INR)が取引できるFX会社
■ブラジルレアルは割高、中国人民元はあまり変動せず
ブラジルレアルは、2015年に大きく売られたが、2016年は反転・急上昇した。現在は過大評価されている水準に入っているが、「大幅に利下げする可能性が高く、債券価格にはポジティブ」と棚瀬さん。
【参考記事】
●ブラジルレアルのスワップは1000円超え! リオ五輪より衝撃的な金メダル級の事実!?
●政策金利14.25%のブラジルレアルを取引できる日本唯一のFX会社、知ってる?
【参考一覧表】
●ブラジルレアル(BRL)が取引できるFX会社

(出所:Bloomberg)
そして、新興国といえば、見逃せないのが中国の動向だ。
棚瀬さんによると、中国人民元は今年、あまり動かないだろうという。
その理由は、2017年は中国共産党の党大会が開催される年だから。この党大会は今後5年間の国家の基本方針を決定する最重要会議だ。
「歴史的に見て、米ドル/中国人民元は党大会とその翌年はあまり変動がありません。そのパターンどおりなら、2017年の中国人民元に大きな動きはないでしょう」
【参考一覧表】
●中国オフショア人民元(CNH)の対円以外が取引できるFX会社

歴史的に見て、米ドル/中国人民元は党大会とその翌年はあまり変動がないので、そのパターンどおりなら、今年の人民元は動かないというのが棚瀬さんの見解だ
主要な新興国通貨について解説してもらったが、個人的に…
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)