■「西原さん、大丈夫?」と不安視された予測
利上げ通貨は買い――そんなセオリーに反して、「3月のFOMC後は米ドル安!」と売りを唱えていたのが当サイト「ザイFX!」連載でもおなじみの西原宏一さん。
「西原さん、大丈夫?」「いったいなぜ?」と読者をザワつかせたのだが、為替市場は西原さんの予想どおりに動いた。なぜ、西原さんは3月15日(水)を境にした米ドル安をピンポイントで予想できたのか?
キーワードは「セル・ザ・ファクト」だ。西原さんが配信するメルマガ「FXトレード戦略指令!」で頻出する「セル・ザ・ファクト」の単語。正確には「Buy the Rumor, Sell the Fact」といって、「ウワサで買って、事実で売る」なんて訳される。


(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
■期待が低かった3月の米利上げが一転したのは…
相場の動きを振り返ると、もともと3月利上げへの期待は低かった。そのためか、2月の米ドル/円は調整の動きとなり、一時は112円割れまで米ドル安が進んでいた。
そんなムードが一転したのは2月末。FED(連邦準備制度・アメリカの中央銀行にあたる)メンバーが相次いで3月利上げに前向きな発言を連発。急速に高まった利上げへの期待を決定的にしたのは、3月3日(金)に行われたイエレンFRB(連邦準備制度理事会)議長の講演だった。
FXトレード戦略指令!:2017年3月5日 18:56配信
イエレン議長のコメントは予想どおりhawkish(タカ派)。これで3月の利上げ確率は94%。ほぼ100%織り込み済みといった展開。ドル円のロングをキープ。セル・ザ・ファクトとなるのは実際に3月15日に利上げが行われたあとになるのではないかと想定しています

(出所:MetaQuotes Software社のメタトレーダー)
■113円台後半で「バイ・ザ・ルーモア」狙いの買い
15日(水)までは利上げネタで米ドルが買われ(=バイ・ザ・ルーモア)、15日(水)に利上げが行なわれれば売られる(=セル・ザ・ファクト)という動きを予想した西原さん。メルマガでは具体的な売買戦略を配信してくれていた。
FXトレード戦略指令!:2017年3月6日 11:44配信
米ドル/円のシナリオとしては利上げを織り込んでの上昇と、15日FOMCでのセル・ザ・ファクトを想定し、今週は押し目買いでいきたいと思います
前週末に米ドル/円のロングをいったん手仕舞っていた西原さんだけど、週が明けると、改めて米ドル/円を買っていく。
FXトレード戦略指令!:2017年3月6日 12:29配信
現時点の113.79円でロングを少額追加。ラリーがあれば縮小し、コアロング(※)をキープしながら、回転させる予定
(※西原さんはポジションをコア=メインに当たる部分と、打診買い的なポジションに分けている。ここではそのメインの買いポジションのこと)
一部を利益確定しながら…
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