昨日のアジア時間ではドル円は113円台の前半。112円台から値を戻してきて、今は値固めの状態にあるといってもよい。ただこの後の値もちがどのくらいかを見極めないといけないところだ。
最近のドル円は、114円台にまで至らずに113円台で振り落とされてしまうことも多くなっている。113円台まで上がってきたからと言って、不用意にロング攻めすべきではなさそうである。
昨日はようやく懸案であった税制改革法案が米議会で通過した。トランプ大統領によると法案への署名は来年早々になるらしい。内容はすでに公開されている通りに、法人税の実効性率は21%まで下げることに成功はしたものの、当初に描かれていたほどの効果は出るのだろうかとの疑念も出始めている。
すでにハイテク関連を中心とした時価総額の高い企業には多くの優遇税制が施されており、実質的には税率は25%を下回っているようだ。だから今回の税制改革が議論されている間は、グーグルやアップルなど、これまでトランプラリーを支えてきた会社の株価は上げの勢いが鈍い。
今週に入ってからはむしろ売られがちであり、それが株価の上値をキャップしているともいえる。ともかくもこれで期待されていた材料は出尽くしたことになる。再び株価上昇を演じることができて、米国株が歴史的な最高値を超えることができるような局面があるかどうか。
そうであれば、現在のすでに高い価格でも依然として減税効果が織り込まれていないということだ。それを来年にかけて確かめにいくことになる。果たして株価に上昇する余地が残っているのかどうか。
今晩はフィリー指数やGDPの最終確定値などが発表されるが、大きな影響はなさそうだ税制改革案のパスとともに心配されだしている財政問題も、そろそろ議論の的となりそうだからである。実際に昨日も一昨日も、米債相場は軟化を余儀なくされた。
アメリカのファンディング能力や対外支払い能力に劣化の恐れありとみなせるからだ。これによって長期金利は上昇し、そして間接的にドル高の一要因ともなっている。しかしここでのドル買いの理由は、あくまでも積極的なものではないのは言うを待たない。
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