先週の金曜日は前日にトランプ大統領が「ドルは高いほうがいい」と為替レートに関して修正発言をしたので、ドル円は109円台の中盤で始まった。市場の関心はどこまで戻るのか、であった。
アジア時間の午前中では109.70あたりまでが戻りの限界だったが、ここで巻き戻しは終わるのか。それとも欧州時間からダボス会議などを発信源にして、再び新高値を追っていくのか。しかしドル円はアジア時間の午後からすでに垂れてきた。そして108円台に沈下する動きとなった。
ダボス会議でトランプ大統領がトークをしたが、内容は前日のものとほとんど変わらず。TPP復帰の話も何のインパクトも与えなかった。アメリカの経済指標でGDP統計が出たが、予想を下回っていたにも関わらず、やはり個人消費や住宅投資などの内容が良かったということで、好材料とみなされ、ドル相場は瞬間的に反発。
ドル円もズルズルと下がるのだけは回避された。しかし頭が重いという足取りに変化はない。私もやっとドル円をショートにしてみようという気になった。もう110円台には戻らなさそうだという見切りが付いたからである。まずはスモールだけ109.43で売ってみた。
失敗してこのまま上がってしまうならば110円台乗せでポジションカットして損切りだ。スモールポジションなので比較的に長めに持てる。相場が下がって108円台に突入したら売り増してみる。要は前後50ポイントほどは動かさないのだ。
すると早々にドル円が下がってきた。思ったよりも簡単に108円台に突入。外部環境的には米国株が安いわけでもない。むしろリスク性の高いものはおしなべて高い。日本で仮想通貨業者が不正に引き出されたことが話題になっているくらいだ。
ニュースを探したが、どうやら黒田総裁の発言に反応しているようだった。単に「物価目標の達成にはこだわる」といっただけで、従前と同じ内容のもの。それが「達成に自信あり」とでも受け止められたのであろう。ともかくも108円台に突入してきたとあっては、108.91でも売り増して、当初の計画通りに操作する。
私は108.66ですべてのポジションを買い戻したが、その後は108.30あたりまで突っ込んでいる。そして朝方に日銀筋から黒田総裁の意図を再確認するような修正コメントが出て、ドル円は反発に向かったが、ニューヨーククローズまでには再び下がってきて終了となっている。
今週は雇用統計の週だ。週の後半にかけて様子見の動きともなろうが、ドル円の下げの流れは変わりそうもない。今年に入って113円台からすでに5円幅も下がってきているのも事実だし、また昨年の安値である107.30あたりにもかなり接近してきてもいる。下値を探る状況が続く。
日本時間 15時00分
株主:株式会社ダイヤモンド社(100%)
加入協会:一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)