昨日のアジア時間はコーン氏の辞任の話題で大きくリスクオフとなった。グローベックスでは米国株が大幅安となっており、日本株もたいへん安い。リスク回避の流れは為替相場も免れることはできず、ドル円も早朝から106円台を割り込み、まったく戻らない。
しかし更なる深押しをしないのは、この材料の消化具合を本場のアメリカではどうなのだろうかという不確かさからである。すでに十分に株価などは下がった。あとはニューヨーク勢の反応を見てみたいというところであった。アジア時間の動きは海外で起こるであろうことを先取りしているだけなのだから。
私もドル円を105.88でショートにして持っていたが、なかなか105円台の中盤まで押していかない。欧州時間は105.55から105.75くらいの動きでしかなく、欧州勢もやはり見守りたいということだった。ニューヨーク序盤では米国株が戻り基調となり、ドル円もショートカバーが優勢となった。
雇用関連のデータもよかったのも一因だ。大底を打った後に戻ってくるとなると、その反動も大きそうだ。私もほとんど同値で買い戻させられることとなった。下がらないものは仕方がない。また売り直せばいいや、と思って納得するしかない。
私は寝てしまったが、ニューヨーク時間の午後からはマーケットのリスク許容度が回復したようだ。米国株は前日比でプラス転するほどまでに強烈に買い上げられており、トランプ政権のゴタゴタは問題にしないといわんばかりであった。ドル円も激しくはないが、106円台まで値を戻してきている。
昨日はドル円の安値攻めが失敗した形になっているが、それでも戻りは106円台の前半までであり、依然として今年の最安値圏に位置しているのは事実である。戻ってもこんなものかと思うと、またどこかで売りたくなる。後は株価の下落など、外部環境の支援があれば即座にタイミングを合わせて入るだけでよい。
今晩はECBの金利会合があるが、あまり注目されていない。それよりも日本の財務省の対応がクローズアップされてきている。5年も続いてきた安倍政権なので、今後も続くだろうと慣れっこになっているのは無理もない。森友問題などと同じように、何とかごまかしてパスするだろうという楽観視もある。
しかし海外の批評などを見ていると、今回の文書改ざんはかなり深刻なものがあるようだ。アベノミクスという「適温相場」は終焉を迎えたらどうなるのか。政権崩壊で円相場はどちらで反応するのか。日本売りということで円売りなのか。それともリスク回避ということで円買いになるのか。考えない癖がついてしまっているが最大のリスクである。
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