昨日の欧州時間ではドル高が進んでいるが、これは夕方にスイスでの講演でパウエル議長が利上げの正当性を強調したためだ。言っている内容は従来のものとは代わり映えはしないのだが、いかんせん、ユーロドルは1.18台を臨んでいる。今年のフレッシュゾーンだ。
新鮮味があって、市場参加者がどこまでいくのかなと見守ってもいる。大注目のレベルなのだ。それによってユーロドルは欧州時間はひたすら下げ続けることとなった。比較的、容易に1.18台の中盤まで下がっていった。
しかしドル高の流れもドル円には波及せず、ドル円が109円ちょうどをはさんで行ったり来たりのまま。それだけドル円でのロングポジションが積み上がっていたということの現われでもあろう。私は夜中のイラン核合意に向けて、すでに重くなっているように見える109円台の前半で売り姿勢で構えていた。
アジア時間では109円台に乗せはするものの、109.05とかまでがやっと。損切りの買い戻しを109.40で設定したいために、もうちょっと上で売りたいところだった。何品政策も考慮して、109.20と109.30でショートにして、それを109.40で買い戻すというのが望ましい。
ドル円の109.40というのは前日の高値のちょっと外側だ。そこを超えてきたら目先のドル買いの勢いには頭を下げねばならないだろう。しかしユーロドルの下げには、ドル円は簡単に追随しなかった。
夜中の2時半には起きようと思っていたために、早めに就寝。その間に上記の注文だけ出しておいたが、これらはニューヨーク序盤でダンになったようだ。そしてストップもついていない。ドル円は下がってはいないが、109.20くらいでもんでいた。
前倒しになったイラン核合意の結果発表は、実に予想通りのものとなった。いうまでもなく、合意からの離脱で決まり。これはトランプ大統領が選挙戦のときから問題視していただけに、公約に素直に従っただけに過ぎない。
また発表が早まるということは、それだけでも合意からの離脱を選択したとしか解釈されえない。もしも離脱しないのならば、ギリギリまで公表を引き延ばして交渉に時間をかけるべきであるはずだからだ。
ともかくもマーケットへの影響は実に小さいものであった。ドル円は108円台に突っ込んだが、深押しはせず。予想通りなので、突っ込みたくもないのだろう。私も早々に108.94で買い戻した。もしドルの見直し売りが出てくるようならば、そのときにまた売り直せばいい。
そのドル円が今日の東京時間の午前中に109.60あたりまで駆け上がった。これで短期的なショートは切れたものと思われる。ユーロドルも小安い。いつ今年の最安値を更新してくるとも限らないくらいなレベルで位置している。
今日のイベントしては日中韓の首脳会談。これは米韓会談や米朝会談に向けての地ならしのようなものだろう。だから画期的なコメントが出てくるとは思われない。経済イベントとしてはアメリカのPPIがあるが、これもとても大きな数字でも出てこない限り、マーケットは反応しない。現在のマーケットではインフレへの関心が薄くなってきているからだ。
やはり要注意なのはイラン合意の離脱に関する発言だろう。昨日もイギリスやEUから声明も出されていたが、どれもアメリカの立場を汲んだものが多い。中国やロシアなどからのコメントも見てみたいところだ。場合によっては中東情勢の悪化につながるからだ。要ウォッチである。
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