米中協議に進展がありそうだと思われて、金曜日はリスクテークが先行した。きっと激戦になるのではないだろうという楽観論が先だったのだ。ドル円は110円台の後半で、いまにも111円台に乗せてくるような位置につけていた。
同じドル高でもユーロドルまだ1.18台なのが気に食わない。今年の最安値をアタックするところにいてほしい感じだ。だから私としてもちょっとドル円の買い上げにも参加できないでいた。
欧州序盤で中国当局がすでに報道されていた「貿易黒字を2000億ドル分削減することを提案」という内容を否定した。それで瞬間的にリスク回避の流れも出そうになったが、ドル円は本格的に下がることはなく、ユーロ円が下がるだけとなった。それによってユーロドルは1.17台に沈んだ。
私もこのステージでユーロドルをショートに振った。今週は何度もユーロドルは下攻めしていたところなので、あまり深くは追及しない。再び反発するかもしれないからだ。また米中協議が決裂とかいうフレッシュなニュースでもない限りは、ユーロ円の下げは続かないだろうとも思える。
結局、ドル円は111円台にタッチはしたが、完全に111円台に乗せてくるというわけにはいかなかった。紐育時間になると米中協議がうまくいかないのではないかとの観測が強まってきて、マーケットはリスクオフの状態となった。
米国株も値下がり、クロス円も下落が顕著となった。ユーロドルの安値は1.1750あたりまでで、私もニューヨーククローズ前に買い戻して取引を終了した。しかし本日の東京市場では111円台に乗せてしっかりだ。
今週は経済指標では大きなものが予定されていないが、政治的なイベントが多い。月曜日はG20の外相会合があり、ここではイラン核合意や北朝鮮問題が話し合われることになる。火曜日は米韓首脳会議があって、これは来月の米朝会談の前のすり合わせの意味もあるが、最近ゴタゴタ感を増している北朝鮮との交渉の先行きをうらなうものである。
水曜日からは北朝鮮の核実験場の廃棄が始まる。一方で週末にかけてはメモリアルデーに向けての連休モードに入るものと思われ、市場は動意薄になる可能性が高い。
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