昨日は世界的にもリスク回避の流れも強まった。米中貿易の問題が先行き不透明なのが根底にくすぶっている。欧州時間に入るとドル円が軟化。またユーロも今年の最安値をうかがう展開となった。ユーロが安いのは、ポンド安に引きずられてのこと。
イギリスの金利会合を控えていて、市場の利上げ期待が高まっていたからだ。利上げに傾くのは、いうまでもなく先日のアメリカのり利上げがあったからである。アメリカに追随しておかないと、ポンドは実質的に利下げしたのを同じ効果になる。
それでも利上げしても当然の環境にあるなかでも、ポンドの利上げを主張している委員の数は少ない。今回は利上げはしないだろうが、それでも近い将来の利上げに対して消極姿勢を示したら、ポンドはいっせいに叩き売られるだろう。
先週のECBでのスタンス表明と同じだ。それゆえにポンドが売り込まれている。そして同じ欧州通貨であるユーロも売られているところなのだ。ユーロドルは今年の最安値である1.1510にちょびっとさわるほどの下げ圧力の強さ。
ユーロの下げはユーロ円の下げをももたらす。それがマーケットのリスクオフ姿勢を明確にする。ユーロドルがBOEの発表をきっかけに、一気に1.12台くらいまでを臨んでしまうのではないかとの思いもあって、例外なく私もユーロショートで構えている。
結果的にはイギリスの利上げはなかった。しかし事前のポンドショートが積み上がっていたためか、ユーロもポンドも買い戻された。下値ブレークがないならば、もうユーロドルを底値圏でショートにしておく必要はない。危険なだけである。私も25ポイントは持っていかれたが、即座にゲットアウト。
ユーロドルはそのまま1.16台まで値を戻してきて、あまり下がらなくなってしまった。ドル円もやや軟化しているのは、米国株が多派安をしており、そのリスク回避のためである。ダイムラー社が業績見通しを引き下げたのだ。欧州経済のスローダウンがささやかれていたところだが、それが企業活動で証明された格好となったからだ。
今晩はOPECの総会がある。すでに合意するであろう内容は漏れてきており、全会一致で60万から100万BPDの増産でおちつきそうだ。これはすでにマーケットに織り込み済みなので、これ自体は材料視されない。やはり注目は昨日に大幅安を演じた米国株に動向であり、8日続落しているダウ平均が折り返すかどうかである。
日本時間 16時00分
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