昨日の夕方には米朝会談が早めに終わって、結局は合意できないということに落ち着いた。事前からの期待がとても低かったので、顔見せだけで終わるものと思われていた分、共同声明が打ち出せなかったからといって驚きはなかった現実的にもマーケットにはノーインパクト。ドル円は10ポイントも動かないし、株価もダイナミックには動かなかった。
今回の会談で問題になるのは、トランプ政権としての外交姿勢だろう。米中協議は現在、進行中であり、EUに対する自動車関税の懸案、そして来月からでも始まるであろう日米のTAG交渉も控えている。
その中で「合意できない」も選択肢の一つだとなると、それは強がりを言ってみたところで何もできないのではないかとの観測を呼ぶことにつながる。つまり「順調に進んでいる」とか言っているコメントには疑問が打たれることになり、先行きの不透明感が増えることになる。
相場が動き出したのはニューヨーク時間に入ってからである。政府閉鎖のため遅れて発表されたGDPが、予想よりも良かったのだ。そもそもある程度のスローダウンは致し方のないところ。
そう思われていただけにGDPがそれほども低下していなかったのは、マーケットにリスクテークを呼び起こすこととなった。またしばらく動かないでいたドル金利も上昇に向かった。
スピードはのろいものの、ドル相場は全面高となってドル円は111円台に乗せてきた。そして今年の最高値を更新してきた。私のドル円のスモールショートもこのステージでアウト。
損切りになって閉まったのは仕方のないことだが、問題はその高い位置にずっと張り付きになってしまったことだ。そしてドル円は今日になって中値決めが済んでしまうと、さらに一段高。短期的な買い戻しが連続して入っている模様だ。
今日は本来ならば米中協議の期限最終日だったのだが、トランプ政権ではすでに延長を決めている。このまま困難な協議が続いて、さらに再延長とかもあるものだと市場はくみ取っている。これはBREXIT問題も同じだ。結論の出ないことに期待だけが先行する。そうしたリスク過剰の相場展開が、目下のところは継続しそうだ。
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