今週の前半は大きなイベントがない。しかし水曜日にはFOMCがあるので、市場の関心はそちらに向かっている。足下の材料がないので、余計にFOMC期待が大きく見えてしまうのである。
期待というのは、すでに公表されているような金融緩和への道筋がより濃厚なハト派色の強いものになること。年内にもバランスシートの縮小を停止させることを期待していただけなのに、今となっては償却分の買い戻しなどもウワサに出てきて、かなり先走ったものとなっている。
それを反映してマーケットではリスクオンの傾向が強まっている。FOMCではまでにポジションをリスクテークの方向に傾けておこうという動きだ。米国株は今年の最高値をつけてきており、押し目はほとんど形成しない。
一方でFOMC期待が高まると言うことは、ドル金利にとっては下がるファクターである。いうまでもなくドル金利の低下はドル保有の魅力を低下させることにつながるので、ドルの価値は減退する。つまりドル安要因になると言うことだ。
だからドル円自体ではリスクオンからの上昇圧力と金利低下による下げ圧力の間に挟まれて、ちょっと目先は動きづらくなっている。昨日はドル円は下がったのだと言えようが、それでも111円台の中盤で長居しており、値幅も1日を通じてもたいへんに狭いもので終わっている。
ユーロドルもドル円に引きつられて狭いレンジ内でプレイしているだけだが、ポンドだけは動きたさそうにしている。水曜日にも英議会でのEU離脱案の3度目の採決が予定されていたが、下院議長が「中身が同じモノならば採決にかけても無駄だ」と言い切った。
こちらのほうは市場の不透明性を高めることになるので、リスクオフ要因。そして昨日のポンド相場は大きくはないものの、値を下げたのである。このメイ首相からのEU離脱案が議会で認められない限りは、離脱延長もできないことになっている。ここに来て「合意なく離脱」の可能性も、ほんのわずかだが現実味を帯びてくることとなった。
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