週明けの昨日のマーケットはリスクテークで始まった。やはり韓国の問題と香港の選挙の結果がでて、市場の不透明要因のいくらかでも掃けたからであろう。ドル円も朝から50ポイントほども上昇して、ニューヨーク時間になると109円台に極めて接近して、そのまま高値張り付きとなった。
また米国株も史上最高値を更新してきても高値恐怖症は見られず、値動きこそスピードが遅いものの、実に堅調な展開となった。このままリスクテークの方向でついて行くのが順当な相場の張り方なのだが、ドル円は109円台のミドルで何度も止められているため、そこがテクニカル的にレジスタンスを形成している。
だから109円台でロングでついていくのは得策ではないというのが実情だ。買いにくいステージでもあるので、109円台の前半では手出しを控えることになろう。買ってみて損しても面白くないからである。
今回の香港の選挙の参加率は、とても高かった。テーマが民主主義の根幹に関わることなので、当然と言えば当然である。結果としては民衆派が圧倒的に勝利したのだが、今回の選挙だけでは明確に香港の政治を変えるまでには至らない。
そこで気になるのはデモが活発化するのか、沈静化するのかである。中国は人民軍の兵士をいつでも出動できるような態勢にしているようでもあるし、先行きは不透明だ。
米議会は香港の人権法案を、上下両院で可決した。後はトランプ大統領がサインすれば法律になるのだが、本人は慎重な姿勢だ。米中の貿易交渉の途中でもあり、香港問題で停滞を余儀なくされるのを防ぎたいという考えもあるのだろう。
人権問題を貿易交渉の材料にするというのは筋が違っているようでもあるが、トランプ大統領なのだからそれもありなのだろう。しかし米国内の手続きとしては、トランプ大統領がいつまでも法案を宙ぶらりんしておくことはできない。
10日以内に意思を表明しないと、法律は自然成立する。また拒否権を発動したにしても、議会で3分の2をもって再可決したら法律になる。議会ではユーナニマス状態で通過したのだから、3分の2は問題ではない。12月上旬までには人権法は有効になる。
人権法が有効になってくると米中交渉の進展の障害になることも考えられ、トランプ政権は第1段階の合意を急ぐものと思われる。したがって想定以上に米側が譲歩した形になる恐れがある。9月以来は期待だけでリスクテークしてきただけに、その積もりに積もったポジションの解消も著しいことになるかもしれない。
ともかくも日限が切られたも同様なので、この2ヶ月間のような時間の経過を見方にして時間を稼ぐ方式は通用しなくなるということを念頭に入れておかないといけない。
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