NATOの首脳会議が始まるので、昨日からはトランプ大統領の発言は欧州時間に出てくることになる。相対的にニューヨーク時間よりも欧州時間のほうがハプニングが起きる可能性が高まったということだ。そして昨日はさっそく欧州序盤でトランプ大統領がコメントした。
これはNATO議長との会談の中においてである。中国との合意を急いでいたはずなのに、やはり香港問題がネックとなったか、合意を急がないと発言したのだ。それも年内合意をあきらめたというのではなく、大統領選まで合意できないかもしれないというのだ。
マーケットにおいて年内合意は不可能だろうくらいにしか危機感を感じていなかっただけに、合意の1年先延ばしは大きなサプライズとなった。ニューヨークオープンに至るまでに市場全体が大きなリスク回避の流れとなって、米国株は前日に続いての大幅安となった。
日経先物も23000円台の大台を割り込んできた。そしてドル円も108円台の中盤まで下落。ニューヨーククローズにかけてはやや揺り戻しも起こったが、足元のリスク回避圧力は変わらないようだ。
私も108円台になってからのドル円ショートでしか攻めていないので、小幅な利食いを何回か繰り返すだけであった。損切りはしなくて済んだのはよかったと思いながらも、下げのスピードが遅いのには参るのである。
アメリカはデジタル課税についても、フランスと揉めている。トランプ大統領はフランスから輸入されるワインやチーズなどに100%の関税をかけるといって息巻いている。それに加えてEUのエアバス社への補助金の問題もまったく解決されていない。ブラジル・アルゼンチンへの追加関税でびっくりしたのはほんの3日前だったのに、もうずっと遠くのことのように思えてしまう。
ともかくも目先のマーケットを追いかけるならば、リスクオフ型で向かわなければいけないところだ。大きく下げたといっても10月上旬のレベルから比べるとまだまだはるかにゲインが残っており、しかるに株価の下げ余地がたくさんある。年末に向けてドル円は下サイドの懸念が払しょくされたとうでもあったが、ここにきて105円台あたりまで覚悟しないといけない状況に陥ってきたと考えるべきであろう。
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